小正月の行事「五十猛のグロ」 グロの中に入っていく子供たち

穏やかな天候に恵まれる中、「五十猛のグロ」が五十猛町大浦の漁港で、大浦グロ保存会の皆さんらによって組み立てられました。
毎年1月11日から15日にかけて行われる、大浦地区に伝承される小正月の行事です。
竹などで作られる高さ20メートル、直径10メートルほどの大きな仮屋を設け、歳徳神(としとくじん)を迎え、一年の豊漁と無病息災を祈ります。
この独特な仮屋は全国的にも珍しく、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
完成した仮屋の中では、火をおこし、地元の保育園児や近隣住民らが餅を焼いて食べ、一年の健康を祈りました。

また、グロの完成にあわせて、近くの韓神新羅神社(からかみしらぎじんじゃ)で、大浦グロ保存会・三瓶地域協育ネットワーク主催による「改めてグロを学ぶ」という講演会が開催されました。
講師は、山陰民俗学会理事の多田房明さん。五十猛小学校の児童や地元の住民たちに、「グロは誰をお迎えするものか」「グロと大田の仮屋の違い」などについてお話しされました。

 多田先生による講演会(写真は多田先生のお話を聞く児童ら)