式典会場の様子
青空に緑が萌える5月30日、「木でつなごう 人と森との 縁(えにし)の輪」をテーマに、第71回全国植樹祭が三瓶山北の原で開催されました。

新型コロナウイルス感染症の影響により、1年延期された植樹祭。初めてとなる天皇皇后両陛下のオンラインによる行幸啓や参加者数の参集規模の縮小など、新型コロナウイルス感染症の感染対策を取りながらの開催となりました。
植樹会場での植樹 市民の皆さんが絵を描いたプランター

式典に先立ち、郷土芸能として、池田田植囃子保存会と小屋原田植囃子保存会の皆さんによる田植囃子が映像で紹介されました。日本遺産「石見の火山が伝える悠久の歴史」の構成文化財でもある小笠原流田植囃子は、中国地方に広く伝わり、中世芸能の流れをくむ民族芸能のひとつです。

小笠原流田植えばやしの紹介映像

プロローグでは、開催市長として楫野弘和市長が「今大会で発信される『伐(き)って、使って、植えて、育てる』循環型林業を実践し、森林・林業・木材産業の成長産業化と森林の多面的利用を両立した地域を実現していくとともに、次世代に豊かな森林をつないでいくことを誓う」と県内外からお越しになった約1000人の参加者を前にあいさつしました。

あいさつをする市長 会場のモニターに映し出される市長

式典は、東京の赤坂御用地と三瓶山北の原をオンラインで結び中継されました。

式典の様子

天皇陛下は「かけがえのない森林を健全な姿で未来の世代につないでいくことは、私たちに課せられた大切な使命。また、人々が連携、協力することにより、植えて、育てて使い、また植えるといった『緑の循環』が広く実現することを期待する」と述べられました。

天皇陛下のお言葉 天皇陛下による御収穫
お手植えをされる天皇陛下 皇后陛下によるお手播き

そして、東京で行われた天皇皇后両陛下の御収穫やお手植え、お手播きの様子を会場の大型モニターで見守るとともに代表者の記念植樹を行いました。樹種の説明を終えた緑の少年団の子どもたちに、天皇陛下が「緑の少年団の皆さん、今日は私たちに丁寧に説明していただき、どうもありがとう。皆さんにはこれからも緑を守り、育てる気持ちを大切に持ち続けていただきたいと思います。どうか、くれぐれも身体に気をつけて実り多い学校生活を送ってください」と声をかけられる場面もありました。

緑の少年団への天皇陛下のお言葉

大会テーマの表現や大会宣言、島根県知事から次期開催県である滋賀県知事へ植樹祭を引き継ぐリレーセレモニーが行われ、式典は終了しました。

式典では、大田市出身のテノール歌手、柿迫秀さんが国家独唱を、市内の小学生が緑の少年団として三旗掲揚や記念植樹の介添えなど、中学生が誓いのメッセージ発表、高校生が式典アシスタントとして活躍。また、市内中学校・高校の吹奏楽部、大田ウインドオーケストラ、女声コーラス花音の皆さんが式典音楽隊として事前に収録した音源で出演しました。多くの市民の皆さんが支えた植樹祭でもありました。

 樹木贈呈 式典アシスタントを務める高校生 大会テーマ表現 式典アシスタントを務めた高校生式典を支えた高校生 式典音楽隊を務めた邇摩高校吹奏楽部式典音楽隊を務めた第三中学校吹奏楽部 天皇皇后両陛下を見送る参加者

全国植樹祭の歴史においても、初めて植樹、育樹、収穫・利用の循環が実現。大田市が目指している循環型林業をアピールすることができた植樹祭となりました。