花束を手にして写真に納まる大野さんと市長
大田町出身で、長年、柔道の日本代表選手として数々の国際大会で活躍された大野陽子さん(コマツ)が、12月16日、市役所を訪れ、引退を報告しました。

市長は「大野さんの活躍で大田市を元気づけていただいてきた。引退は寂しくもあり、残念でもあるが、精一杯、これまで世界で戦ってこられた大野さんが決断されたこと。本当に長い間、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました」と感謝し、花束を贈りました。
柔道生活を語る大野さん 引退を報告する大野さん
大野さんは、今後は未定としながらも、「柔道に携わり、自分がやってきたことを伝えたい」と話しました。
そして、1つの試合も負けられないという精神状態や、年齢を重ね、体力的にも自分を追い込めなくなって限界を感じる中、最後の大会となったアジア柔道選手権大会で、個人・団体とも優勝。表彰台で2度、国歌を歌い、「やり切った」とすっきりした気持ちになったことで、一番の応援団である両親や家族に引退を相談したと明かしました。
また、多くの国際大会で戦ってきた大野さんは「外国人選手は力が強くて、組んだ時の最初のアタックは本当にすごい」としながらも、日本選手は長時間にわたる練習をしており、スタミナもあり、技術も研究してきているため、外国人選手の力とのぎりぎりのところで勝つのが日本人の強みだと日本柔道の強さを語りました。
市長が、一番印象に残っている試合を尋ねると、「オリンピックで金メダルを獲ることを目標にやっていたので、東京オリンピック前の4年間の大会はすべて心に残っている。ずっと勝ち続けなければ代表になれない状況の中で、一つも負けられないと思っていた。一つひとつの試合をこれが最後かもしれないと全力で戦ってきた」と振り返りました。
そして、出場が叶わなかった東京オリンピックの舞台裏の様子にも触れ、空気がピンと張り詰める状況に「言葉では言い表せない雰囲気を経験できたことは、柔道をやっていて良かったと思う」と話しました。
最後に市長は「たまには実家に帰っていただき、お父さんと一緒に子どもたちを指導していただきたい。まだまだ長い人生、いろいろな世界で活躍してほしい。期待し、応援している」とこれからの大野さんを激励しました。
労をねぎらう市長 笑顔をみせる大野さん