2.三つの大きな特色
■1「次代を担う人づくり事業」として、市内外の子どもを対象に
大田市の山村留学事業は、都会の子どもたちのみを対象とした取り組みではなく、農山漁村の子どもたちも、そして市内の子どもたちも対象とした幅広い取り組みです。従来の「山村留学=過疎地域の零細校対策」という枠組みを越え、「次世代を担う人づくり事業」として実施している点に大きな特色があります。
■2「三瓶高原と日本海の自然体験」―海と山両方の体験活動
「三瓶高原と日本海の自然体験」 これは、大田市の山村留学事業のキャッチフレーズであり、この事業の特色をよく表しています。
大田市の山村留学事業では、四季を通じて自然と親しめる三瓶高原と美しい日本海を主な活動フィールドとしています。全国的には、海(漁村)または山(農山村)どちらか一方が活動フィールドという山村留学や自然体験活動が多くありますが、その両方に恵まれている大田市は、海での活動、野山での活動、川での活動、国立公園三瓶山での登山・スキー活動・雪遊び、そして農業や漁業体験など、四季を通して海と山両方の活動をふんだんに取り入れています。これが最大の特色であり、他の山村留学地ではなかなか得られにくい魅力だと言えましょう。
■3 夏休みなどの短期山村留学の際にも、農家泊を実施
夏休みなどに各地で開催される自然体験活動は数多くありますが、それらは、普通のキャンプ場や青年の家などの施設を利用したものが大多数です。大田市には、海と山それぞれの豊かな自然によって培われた様々な産業、生活、文化が今も残されています。そこには、都会や市街地の生活では失われつつある古くから伝えられた知恵が生きています。こうした伝統的な生活や文化にふれるとともに、地域住民との交流を図るため、1年間の長期山村留学ではもちろん、夏・冬・春休みなどの短期山村留学の際にも、ごく普通の農家(=里親=)へのショートホームステイを取り入れています。この点も大きな特色といえるでしょう。
ホームステイ先は、三瓶周辺の農家です。里親宅で子どもたちは、野菜の収穫、風呂たきなどのほか、家族の一員になって様々な生活体験をします。里親さんの優しさや厳しさに触れるショートホームステイは、短期間といえども子どもたちの心をぐっと掴み、これまでの参加者の中には、ホームステイ先の里親さんと今でも家族ぐるみの交流を続けている方が多数います。心あたたまるふれあいの中で、子どもたちは成長していくのです。
大田市には、上記のホームステイ地域のほかにも、多くの可能性を秘めた活動フィールドが広がっています。山村留学事業が市内一部地域のための取り組みで終わらぬよう、市民のみなさんのご意見を伺い、調査・研究しながら、市全域をあげた取り組みへと発展させたいと考えます。


