◇減り続ける子ども

「大田じゃ子どもの数が、毎年100人以上も減っとるんだと。」

「そーいや、うちの自治会でも、子どものおる家は数えれるくらいだもんな。鯉のぼりを揚げる家も少なくなったしな。」

「大田でも複式学級の学校が随分増えたげなで。」

「子どもの声が聞こえんとなんとなく寂しいし、何にしてもやる気がでんわなー。

「そがだいなあ。」

 子どもの数が急速に減少しているのは、大田市に限ったわけではなく全国的な傾向です。

 でも、私たちがそれよりもっと問題だと考えたのは、上の会話の『何にしてもやる気がでんわなー』という言葉でした。

 このままいけば、私たちのまち、地域社会はどうなってしまうのでしょうか? 大田の子どもたちの未来は? ・・・それでは、どうする?

◇増え続ける“子どもらしくない”子ども
 次に、現代の子どもたちを取り巻く教育環境に目を向けてみましょう。よく、「都会でも田舎でも、子どもたちが昔のように外で集団になって遊びに熱中する姿を見かけなくなった」という話を耳にします。子どもたちは、外で遊ぶことをやめ、テレビやゲームに熱中するようになりました。餓鬼大将はいつの間にか姿を消し、「物静かな、物分かりのいい、子どもらしくない」子どもが多くなったといいます。学校・塾・家庭を分刻みのスケジュールで移動する大人顔負けの「忙しい」子どもが増えてきているようで、しばしばマスコミで取り上げられています。

 一体何が子どもたちをそうさせるのでしょう。このままでいいのでしょうか?・・・それでは、どうする?

◇相互メリットの道は?
 こうした現代社会の大きな問題を考えたとき、これらを個別にではなく、一括して解決へと向けられる方向性はないものでしょうか。

 都市部では「土地がない、自然がない、ゆとりがない」といい、過疎地域あるいは中山間地域と表現される田舎では「収入が少ない、活気がない、走り回る子どもの姿がない」といいます。そうした都市部と田舎との間で、相互にメリットが生まれる道はないものでしょうか。大田市では、いろいろな人が知恵絞り、意見を出し合い、議論しました。

 ・・・そして導き出された結論。それが「山村留学」だったのです。