国内でダニ媒介感染症の発症例が報告されています。県内の発生状況は、重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)は、本年 7 月末時点で 8 件の報告があり、過去最多であった 2021 年(13 件)と同程度の水準で推移しています。日本紅斑熱は本年 7 月末時点で 28 件の報告があり、過去最多であった 2022 年(42 件)の同時期を上回るペースとなっています。  森林、草むら、やぶ等に入る場合には、マダニに咬まれないよう十分に注意しましょう。

マダニに咬まれたことにより感染する病気

1.ダニ媒介脳炎  

ウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染する疾患です。日本では1993年以降、北海道において発生が確認されています。ダニ媒介脳炎ウイルスにはいくつかの種類があり、主な症状は、第一相で発熱、頭痛、眼窩痛、全身の関節痛や筋肉痛が出現し、第二相では、痙攣、眩暈、知覚異常、麻痺(まひ)などの中枢神経系症状を呈します。ほとんどが二相性の経過をたどります。感染してから多くは7~14日で発症します。

2.重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) 

SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれたことにより感染する病気です。SFTSを発症している動物との接触により感染することもあります。主な症状は発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)で、時に、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴います。感染してから6日~2週間で発症します。 

3.日本紅斑熱

主な症状は発熱(高熱)や頭痛、関節痛、体幹部や手足の発疹です。 まれに死亡することもあります。感染してから2~8日で発症します。島根県では、年間数人~10数人の患者発生があり、特に弥山山地沿いで多いほか、県西部でも発生が認められています。

予防のポイント

•野外活動など草の茂った場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴(サンダルのような肌を露出するようなものは避ける。)、帽子、手袋の着用や、首にタオルを巻くなど肌の露出を少なくし、虫よけスプレーを使用しましょう。

•ペットによる持ち込みを防止するために、散歩等から帰った際はダニの付着を確認しましょう。

•野外活動後は入浴し、ダニに咬まれていないか確認しましょう。吸血中のマダニに気付いた際には、医療機関で処置してください。

 マダニに咬まれた場合には  

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から,長いもので10日間)吸血します。無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血中のマダニに気が付いた際は、医療機関で処置をしてもらいましょう。また、マダニに咬まれた後、2週間程度は体調の変化に注意をし、発熱、発疹、下痢・嘔吐等の症状が出た場合には、早めに医療機関を受診してください。

 

<外部リンク>

 島根県感染症情報センター「SFTS」

 島根県感染症情報センター「日本紅斑熱・つつが虫病」

 厚生労働省ホームページ