Q1.新庁舎整備がなぜ今必要なのか。

 A1.【防災機能の強化、市民の利便性向上、経済性の点から、早期建替えが必要です】

現庁舎は、昭和57(1982)年2月に完成しました。早期建替えが必要な理由は下記のとおりです。

  • 現庁舎は耐震性が不足しており、防災拠点としての災害時の通常業務継続ができる庁舎が必要です。
  • 市民が使いやすいよう、バリアフリーや省エネ、DX化といった近年の課題を解決する必要があります。
  • 新築と改修で1年あたりのコストを比べた時に、新築の方が市の負担は少なく済みます。また、建設物価の上昇が続いている状況から、早期に建替えた方がその影響を避けられます。
Q2.新庁舎整備は決定事項なのか。
 A2.【整備の進捗状況に応じて議会や市民説明会等で状況をご説明し、ご意見を伺いながら進めています】
  • 現時点では、これまでの方針に従い、建設予定地に整備することで、設計を進めています。

  • 最終的な規模や仕様、事業費、工事の進め方といった詳細については、引き続き進捗状況に応じて、議会や市民説明会等でご説明し、ご意見を伺いながら、決定してまいります。

Q3.建設予定地はどこか。どのように決定したのか。
 A3.【建設予定地は、市の立地適正化計画と市民のみなさまの意見を踏まえて決定しています】
  • 市の立地適正化計画では、大田町北部を「中心拠点」として、居住地域や都市機能を誘導することとしています。新庁舎の建設予定地は、この「中心拠点」内で必要な大きさの敷地を確保できる市有地に選定しています。

  • 令和3(2021)年度には、市民ワークショップ「大田市役所本庁舎の整備を考える会」および市民アンケートで、建設予定地を検討しています。候補は「現位置」「市民会館周辺」「大田市駅前」「その他(自由提案)」の 4 つとし、利用者の利便性や業務効率、行政サービスの向上、にぎわい創出といった効果も考慮し、集約方式か分庁舎方式かを検討しました。

  • その結果、多く選ばれた(アンケート全413件のうち 83%)大田市駅前に、集約方式で整備する方針とし、令和4(2022)年度に実施した「市長と語る会」等での市民との意見交換や、民間委員からなる公共施設適正化推進委員会、議会等での意見を踏まえて、令和5(2023)年3月に策定した「大田市新庁舎整備基本構想」で決定しました。

Q4.建設予定地は災害上の問題はないか。
 A4.【安全な立地で、耐震基準を満たす構造です】
  • 建設予定地は、標高約17.3~20.5mの高さにあり、もっとも高い想定の津波(3.7m程度)でも到達するおそれはありません。
  • 近くに三瓶川がありますが、1000年に一度の大雨によっても浸水のおそれは無いとされており、土砂災害のおそれもありません。
    大田市ハザードマップで、災害のおそれがある範囲を示しています。
  • 建物については、法律上もっとも厳しい耐震基準を満たす構造とするため、各種災害に対応した安全な造りとなります。

  • 火災については、法律に基づく避難安全検証を行います。

Q5.廃校舎などの既存施設が利用できれば、新庁舎整備は不要ではないか。
 A5.【一部の既存施設を利用し、職員の分散を図りますが、庁舎整備は必要です】
  • 廃校舎の改修利用は、市街地に近い校舎だといずれも現庁舎と建築年が近く、過去に地震被害もあり老朽化が進んでいるため、長期利用は困難です。

  • 既存施設の利用は、「市民の利便性のため、新庁舎と市街地の両方から近いこと」「低コストの改修で長期利用ができること」を条件に、基本設計段階で検討しました。

  • 検討の結果、一部部署は中央図書館、衛生処理場、旧松江国道事務所を利用することとしましたが、

    そのほかには適当な施設が無く、現在の設計規模の庁舎整備は不可欠と判断しています。

Q6.市内の空家や空き店舗などに、部や課を分散配置し、DX化によりオンラインで連携すれば、新庁舎整備は不要ではないか。
 A6.【細やかな市民対応のためには、なるべく一箇所に集約した方が、効率的で効果も期待できます】
  • 近年は、行政需要の多様化から、一つの部署では解決できない業務も多く、細やかな市民対応や、多分野にまたがる課題解決、政策形成のために、部署間の連携がより重要となっています。
  • 市民の相談対応や庁内の合意形成、人材育成といった観点からは、一箇所に集約した方が効率的で、効果も期待できます。

【コスト的には、同じ面積であれば、一箇所に整備した方が安価です】

  • コスト面では、一箇所に整備をした方が安価となります。
  • 庁舎は民間施設と比べて高い水準の安全性やセキュリティが求められるため、耐震性の向上や非常用発電設備、セキュリティ対策の改修が必要となります。こうした改修を一箇所で行うことに比べ、分庁舎方式は面積あたりのコストが高くなります。
  • バリアフリーに必要なエレベーター、多機能トイレ、点字ブロックといった設備等も建物ごとに整備する必要があり、光熱水費などの維持管理コストも割高となります。
Q7.建物はどれくらいの大きさになるのか。将来にわたって人口減少が進むと考えられるが、庁舎規模をどう考えるか。
 A7.【2050年ごろの人口に見合った、コンパクトな庁舎です】
  • 建築面積が約40m×50mの約2,000㎡、屋内の延床面積が約5,974㎡で、現庁舎の約60%の大きさです。
    近年庁舎整備を行った人口1万5千人~2万人程度の市の庁舎規模と同程度です。

  • 大田市人口が2万人以下となる予測は、令和32(2050)年頃ですので、庁舎整備から約20年後の人口に見合った庁舎となります。(国立社会保障・人口問題研究所 地域別将来推計人口の令和5年度推計による)

  • 完成当初は、一部部署が既存施設に分散する分庁舎方式で対応しますが、最終的には新庁舎に集約することを前提としています。

【人口1万5千人~2万人規模の他市の例】

  • 近年庁舎整備を行った人口1万5千人~2万人の市の庁舎規模は、平均6,356㎡です。県内では人口約2万人の江津市庁舎が5,724㎡で、現在、市が設計している規模と同程度です。

Q8.令和4年「市長と語る会」から令和6年3月の基本計画で、面積や事業費が変化した理由は。
A8.【R4「市長と語る会」~R6.3基本計画段階での面積・事業費増加の理由について】

 

R4市長と語る会

R6.3基本計画

変更内容

面積

6,000㎡

8,200~8,500㎡

・R4年度:国の基準による最小限の事務機能で積算
・基本計画:待合やバリアフリートイレなどの必要機能面積を追加

面積単価

50万円/㎡

75万円/㎡

・人件費や建築資材などの建築費の上昇
・構造を木造から頑丈なRC造・鉄骨造として再度積算
・省エネ(ZEB化)に関する事業費の追加

事業費

30億円

81~85億円

 ・R4年度:建築工事費のみ
・基本計画:地盤調査費、移転費、備品購入費や用地の補償費などの諸経費を追加
 (庁舎本体の工事費は61.5~65.5億円)

 

【R6.3基本計画~R8.2基本設計素案段階での面積・事業費削減の理由について】

  • 令和6(2024)年10月から開始した基本設計では、令和7(2025)年6月に中間報告としてまとめる形(リンク)で、基本計画で検討された内容を、一通り具体的に反映しました。
  • この中間報告について、議会や市民説明会などで、より一層の床面積や事業費の削減が必要とのご意見を多くいただいたことや、具体的な積算に入って行く中で、建築物価の上昇を加味することや、市の財政負担を踏まえた事業費を検討し、必要最小限の機能の取捨選択を行い、基本設計素案としてまとめました(リンク)。
  R6.3基本計画 R8.2基本設計素案 変更内容
面積 8,200~8,500㎡ 約6,000㎡ ・新庁舎で勤務する職員数の減、書庫、共用部など各種床面積の減
面積単価 75万円/㎡ 93~111万円/㎡ ・建築物価の上昇を加味(現時点の物価~4.3%/年の上昇で計算)
事業費  81~85億円 71.8~84.9億円 ・R6.3:面積を基にした単価による積算
・R8.2:各種見積等による現在の実勢価格~将来の物価上昇を加味した詳細な積算

 

Q9.議場など、年に数回しか使用しない部屋を整備する必要があるのか。議会関係の部屋を多目的利用する事例もあるが、大田市では行わないのか。
 A9.【市の会議や災害対応など、多目的な利用を想定します】
  • 本会議場の床面は段差を無くし、机、椅子を簡単に移動でき、議場以外の用途でも利用可能な造りとします。委員会室も同様です。議会の閉会時期には、市が主催する会議等で使用するため、使用率は高くなります。

  • 災害時には、応援職員の執務室や休憩室として転用できる仕様とします。これにより、国が一部費用を負担する防災関係の有利な財源(緊急防災・減災事業債)が活用できます。

  • 温泉津支所など、他施設で議会を行うことも検討しましたが、議会中の関係職員の移動などが発生するため、非効率であると判断しています。

Q10.なぜ駐車場を平面ではなく、立体としたのか。
 A10.【来庁者の利便性と土地の形状を踏まえて、立体としています】
  • 来庁者用の駐車場は来庁者の利便性を考慮すると隣接する必要があります。また、業務の時間効率から、公用車も隣接する必要があります。平面駐車場では収容台数が十分に確保できないため、駐車場の立体化が必要です。

  • 平面駐車場と比べた利点として、駅通りと駐車場への接道は3m程度高い位置にあり、立体駐車場の方が、高低差が少なく進入できます。

  • 二階建てで一階部分は屋根があることにより、防災上の利活用(一時避難場所や物資集積所)も想定しています。

  • 欠点は、建設費が高いことです。
Q11.立体駐車場は平面駐車場に比べ、駐車しにくいのではないか。
 A11.【来庁者用駐車場は二階のため、平面駐車場と同じように利用できます】
  • 来庁者用の駐車場は二階で、駐車スペースに柱類も無いため、条件は平面駐車場と変わりません。
Q12.立体駐車場よりも、近隣の土地を購入した方が安いのではないか。例えば、まとまった広さのあるパル跡地は使えないのか。
 A12.【パル跡地を含めて、利用できる適地が無いのが実情です】
  • 「大田市中心市街地活性化長期計画」(令和4(2022)年3月策定)では、「中心市街地を維持・発展するためには中心市街地へ『来る目的』をつくること」とし、パル跡地は「大規模店舗跡地の活用」として民間事業者が担うこととしています。
    また、跡地は商業利用を条件に、建物解体費の一部を市が補助(令和4(2022)年6月補正予算)しているため、パル跡地の駐車場利用は検討していません。

  • そのほかに、近隣に駐車場にできるまとまった土地はありません。

Q13.職員駐車場は整備しないのか。
A13.【新庁舎周辺にまとまった土地がないため、既存の土地の使用等で対応します】
  • 現庁舎の職員駐車場は、職員共済会が民間の土地を借り上げているほか、市の土地を使用することで対応しています。

  • 新庁舎周辺にまとまった土地がないため、近隣で職員駐車場を確保することは困難な状況です。

  • したがって、現行の「職員共済会駐車場」および「旧警察署跡地駐車場」などの駐車場を利用するか、または各自で近隣の民間駐車場を借りる、もしくは徒歩や自転車、自動二輪車、公共交通での通勤に変えることも考えられます。

Q14.財源はどのようになるのか。確保の見通しは立っているのか。
 A14.【将来の物価上昇を踏まえても、財源を確保できる見通しを立てています(令和8年2月現在)】
  • 地方債(市の借入金)と、基金(市の貯金)を、主な財源とします。

  • 地方債については、「緊急防災・減災事業債」や「脱炭素化推進事業債」を最大限活用します。

    これらの地方債は、返済にあたって国から地方交付税による補てんがあります。

    緊急防災・減災事業債は返済額の70%、脱炭素化推進事業債は50%、こども・子育て支援事業債は30%が、「地方交付税」として将来補てんされます。

  • 基本設計に基づき算出した地方債の総額は約67.2億円です。このうち、約20.1億円が地方交付税で補てんされます。

  • また、公共施設総合管理基金を令和8(2026)年度から令和11(2029)年度まで毎年2億円程度積み立て、総額約16.7億円を庁舎整備の財源に充てる見込みです。
    ※「緊急防災・減災事業債」や「脱炭素化推進事業債」は、現行制度では令和7(2025)年度までとされていましたが、令和8(2026)年度から令和12(2030)年度までの延長が国で決定されました。

    pdfファイル「財源見通し(R8.2基本設計書素案抜粋)」をダウンロードする(PDF:2.2MB)

Q15.新庁舎整備以外の大型ハード整備があるが、返済の見通しはどうか。
A15.【過去の事業の返済が終わるため、借金の残高や1年ごとの返済額は、平成の合併当時よりも少なくなる見通しです】
  • 大田市の借入金の残高(地方債残高)は、令和6(2024)年度末で292億円(普通会計)あり、合併した平成17(2005)年度末の残高389億円に比べ、97億円減少しています。

  • 1年ごとの返済額(単年度公債費)は、以前は42億~51億円でしたが、令和6(2024)年度決算額では29億円まで減少しています。

  • 今後の借入金の残高は、新庁舎整備を始めとする大型ハード整備が終わる令和12年度には、一時的に345億円まで増加しますが、その後、過去に整備した新可燃ごみ処理施設や、ケーブルテレビの光化事業、国民宿舎さんべ荘改修事業などの返済が次々に終わるため、令和17(2035)年度には、現在(令和7(2025)年度)よりも少ない、250億円まで減少する見通しです。

  • 1年ごとの返済額についても、借り方や返済方法を工夫し、毎年の返済額が平準化できるようにしていくため、令和17(2035)年度ごろからは、緩やかに減っていく予定です。

    pdfファイル「公債費償還見通し(R8.2基本設計書素案抜粋)」をダウンロードする(PDF:1.3MB)

Q16.大田市の財政は全国的に見ても、悪い状態であるとの意見があるが、実情はどうなのか。大田市と同規模の自治体に比べて、財政力指数や経常収支比率が悪いといわれるが、どうなのか。
A16.【市の財政は、健全性の基準を全て満たしており、現時点で財政破綻のような深刻な状況にはありません】
  • 財政力指数や経常収支比率といった単一の指標だけで、自治体の財政状況を一概に評価することはできません。
  • 経常収支比率が高めに見える理由
    経常収支比率は、人件費・扶助費・公債費などの経常的な支出の大きさを示す指標です。大田市では、以下のような取り組みを行っているため、他自治体と比べて経常的な支出が多くなっています。
    ・消防やごみ処理業務を市が直営で実施している
    ・市内27か所にまちづくりセンターを設置している
     → これらにより、人件費が相対的に多くなる
    ・医療費無償化など独自の子育て支援策を実施
     → 扶助費が高くなる
    ・地方交付税で後年度補てんされる地方債を活用して事業を実施
     → 補てん額を含めた公債費が多く見える
    これらの支出は、市民サービスの充実や地域の安全・安心を確保するために必要なものであり、単純に数値だけで「財政が悪い」と判断することはできません。
  • 他自治体と単純比較できない理由
    自治体ごとに、
    ・公共施設の老朽化状況
    ・更新時期
    ・サービス提供方法(直営か委託か)
    ・活用する財源の種類
    などが大きく異なります。そのため、財政力指数や経常収支比率だけを取り出して比較しても、財政状況の良し悪しを正確に判断することはできません。
  • 健全化判断比率ではすべて基準をクリア
    財政の健全性を客観的に判断する「健全化判断比率」において、大田市は国が定める早期健全化基準をすべて下回っています。したがって、現時点で財政破綻のような深刻な状況にはありません。
  • 中期財政見通しでも安定した財政運営が可能
    令和7(2025)年度に推計した令和12(2030)年度までの「中期財政見通し」では、
    ・市税や地方交付税は安定的に確保できる見込み
    ・過去の大型事業に伴う借入金の返済が順次終了
    ・その結果、借入金残高は今後減少していく見通し
Q17.近い将来に、市の貯金である基金が枯渇するのではとの意見があるが、借金が増えても問題はないのか。
A17.【収入支出の両面で財政健全化に取り組み、基金の積み立てに努めます】
  • 令和7(2025)年度に推計した令和12(2030)年度までの「中期財政見通し(リンク)」では、収支のバランスを保つことができ、基金(貯金)は枯渇しない見込みです。今後も、収入支出の両面で財政健全化に取り組み、基金の積み立てに努めます。

  • 地方債については、将来地方交付税として補てんされるものがあるので、最終的な市の負担を軽減できるよう、条件の有利な地方債を活用していきます。

Q18.市民サービス低下や増税など、市民への新たな負担があるのではないか。
A18.【地方債(借入金)の返済方法を工夫し、新たな市民負担が生じることのないよう努めます】
  • 新庁舎や学校などの公用・公共施設の整備については、将来にわたって市民が利用するものでもあるため、事業費の負担は整備時点の市民が一度に負わず、将来利用する市民にも、地方債の返済という形で負担を求めることが合理的で公平です。

  • 地方債(借入金)の発行にあたっては、より有利な条件で借り入れ、毎年度の返済額を平準化し、市民への新たな負担が生じることのないよう努めます。

Q19.現庁舎の耐震改修をしないのはなぜか。
 A19.【現庁舎は標準的な耐用年数を超えないため、耐震改修を行っても長期使用が見込めません】
  • 現庁舎は昭和57(1982)年2月に完成した旧耐震基準の建物です。

  • これまで、長期使用に必要となる20~30年ごとの大規模改修を実施していませんでした。

  • 平成21(2009)年度の耐震診断、平成30(2018)年度の島根県西部地震による被害状況、その後に一級建築士の職員が行った目視調査などを総合的に判断した結果、現庁舎の耐用年数は市が定める標準的な60年を超えないと判断しています。

【わずかな使用期間のために、多額の改修費が必要になります】
  • 耐用年数を延ばさずに、耐震化や設備更新など安全性確保に必要な改修を行うだけでも、約55.2億円の費用が必要と試算しています。

  • 改修工事にかかる期間(令和8(2026)年度~令和11(2029)年度)を除くと、改修後に使用できる期間は 令和12(2030)年度~令和23(2041)年度までのわずか12年間 です。つまり、多額の費用を投じて改修しても、12年後には再び新庁舎整備が必要になります。

【改修後に新庁舎整備を行うと、市の負担が大幅に増えます】
  • 現庁舎を改修してから新庁舎整備に着手すると、以下の不利益が生じます。

    ・12年遅れることで物価上昇の影響を受け、建設費が約50.2億円増加

    ・現庁舎改修に緊急防災・減災事業債を活用すると、新庁舎整備では活用できない(2回目は使えない)

     → 現在の計画では約20.1億円の有利な財源を見込んでおり、これが使えなくなる分、市の負担が増加

  • 結果として、改修を選ぶと、将来の新庁舎整備費が大幅に割高になることが避けられません。

Q20.現庁舎の耐震改修にかかる費用は、いくらかかるのか。また、どう計算したのか。新庁舎整備と比較してどうなのか。
 A20.【現庁舎の耐震改修工事には約48.7億円、使用中全体でかかる費用は合計60.0億円です】
  • 現庁舎の使用を続けるためには、耐震化工事、設備等の改修工事、将来的な設備更新のほか、光熱水費などの維持管理費がかかります。

  • 耐震改修工事には、地方債(借入金)による国の補てん分を除く実質負担額で、約48.7億円かかる計算です。

  • 将来的な設備更新費に6.5億円、維持管理費が4.8億円で、改修後12年間使用する費用は、合計60.0億円です。1年あたりのコストは5.00億円です。
    pdfファイル「現庁舎改修にかかる積算」をダウンロードする(PDF:413kB)

  • 現在の設計における新庁舎整備の実質負担額が64.8億円+維持管理費が2.9億円(整備後12年分)で、整備後12年間使用する費用は、合計67.7億円です。
    現庁舎を改修して使用する場合とあまり差がありません。
【計算方法について】
  • 築60年までの使用として、令和8~9年度設計、令和10~11年度施工 令和12年度供用開始で、令和12(2030)年度~令和23(2041)年度(2042年2月)まで12年使用する想定です。
  • 工事は、平成25(2013)年に実施した耐震改修に関する基本設計を基に、物価上昇や工事の不足部分の追加で積算を行い、算出しています。
  • 工事は、活用できる有利な地方債を加味(▲約9.7億円)した実質負担額で積算しています。
  • 維持管理費は、(一財)建築保全センターの提供する、保全マネジメントシステム(BIMMS)およびLCC計算プログラムを用いて、面積モデルで算出しています。
【新庁舎整備との比較について】
  • 建設工事費は、現在の設計を反映しています(有利な地方債を加味した実質負担額64.8億円)。
  • 将来的な設備更新費16.7億円と維持管理費9.8億円(40年分)は、現庁舎の計算と同様に、BIMMSおよびLCC計算プログラムから面積モデルで算出しています。
  • 合計91.3億円となります。1年あたりコストは2.28億円です。現庁舎と比較して1年あたり2.72億円安価です。
【現庁舎を使い続けた後に新庁舎整備をすると、物価のさらなる上昇に加えて、有利な財源も使えず、市の負担が大幅に増えます】
  • 整備が12年遅くなることで、毎年4.3%の物価上昇がある場合に約50.2億円、有利な地方債が使えない財源減で約20.1億円の、合計70.3億円が負担増となります。
  • 新庁舎整備+12年間の維持管理費67.7億円と比較して、現庁舎に同水準の60.0億円がかかるだけでなく、新庁舎1棟の建設費を上回る追加負担がかかることとなります。

pdfファイル「改修・新築コスト比較表」をダウンロードする(PDF:609kB)

Q21.現庁舎の耐用年数はなぜ60年としているのか。他の自治体では60年を超えて使用している庁舎もあるが、何が違うのか。
 A21.【耐用年数は建物の利用状況によって異なります。現庁舎の耐用年数は、利用状況、過去の調査結果、専門資格を持つ職員の目視等の確認結果を基に、総合的に判断しています】
  • 市では、日本建築学会が示している鉄筋コンクリート造の一般的な耐用年数を基に、標準的な耐用年数を60年としています。

  • 現庁舎ではこれまで、長期使用に必要となる20~30年ごとの大規模改修を実施していませんでした。

  • 平成21(2009)年度の耐震診断、平成30(2018)年度の島根県西部地震による被害状況、その後に一級建築士の職員が行った目視調査などを総合的に判断した結果、現庁舎の耐用年数は市が定める標準的な60年を超えないと判断しています。

【60年以内の庁舎の建替えは、全国でも一般的な対応です】
  • 令和2(2020)年以降の全国の本庁舎建替え事例280件(予定含む)を調べたところ、建て替える前の庁舎の平均使用年数は約57年です。
  • 中四国の全市町村(202自治体)の、旧耐震庁舎の建替え事例79件(予定含む)の平均使用年数は約54年です。
  • この202自治体のうち、旧耐震庁舎を本庁舎で使用中なのは56自治体(約27%)ですが、使用年数が60年を超え、かつ建替えが未検討なのは7自治体(約3%)で、ほとんどありません。
【県内他市で用いた、第三者の学術的な推定値でも、同様の結論となります】
  • 建築分野で取り扱う学術的な推定値でも、現庁舎の耐用年数は60年程度となります。
  • 松江市が平成26(2014)年に行った残存耐用年数調査では、依田彰彦足利工業大学名誉教授の推定式(「鉄筋コンクリート造建物の耐久設計と診断・改修」)に基づき、推定耐用年数を計算しています。
  • 同様の方法で大田市現庁舎屋内の推定耐用年数を計算すると、約63年という結果になります。
【推定式に関する論文リンク】

(依田彰彦「鉄筋コンクリート造建築物の中性化と耐用年数予測」マテリアルライフ学会誌2005年1月)

 

【推定式に用いた条件】
  • セメント種類:高炉セメントB種
  • 水セメント比:65%(当時の一般的な割合で松江市も採用)
  • 鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さ:40mm(当時の完成図では30mm以上と指示)
  • コンクリートの締固め係数:普通
  • 仕上げ材:モルタル10mm厚(H21耐震診断時の平均値)
  • 環境条件:海岸近接地域

【推定耐用年数】=【締固め係数】0.25×【仕上げ材】3×【環境条件】0.8×60.2÷(100×【水セメント比】65%-34.8)^2×【コンクリートかぶり厚さ】40^2

➡【推定耐用年数】=63.3656【年】

 

このように、劣化状況を踏まえない一般的な計算式でも同様の結果となります。これまでの現庁舎の状況を踏まえると、やはり60年を超えた使用はできないとの判断になります。

Q22.過去にどのような調査を行ったのか。耐用年数の調査は行わないのか。
 A22.【耐震診断のためにコンクリートの調査や建物のひび割れ、劣化の現地調査といった、建物の状態調査を行っています】
  • 平成21(2009)年度に耐震診断業務として、建物状態調査のためコンクリートコアを1フロア3か所、計18か所採取し、コンクリートの強度、中性化の深さを調べたほか、現地調査により、建物のクラック・劣化に関する確認調査を行いました。

  • 結果として、コンクリート強度は基準値を満たしましたが、地下や屋上、3階の一部で、中性化が鉄筋まで達している可能性があることを確認しました。

  • 地下や屋上では、無数のクラックや中性化が進んだため起きる鉄筋のさびによる爆裂がみられ、外壁では多数のタイルの割れも確認されました。

  • pdfファイル参考資料:「H21大田市役所庁舎耐震診断業務委託(抜粋)」をダウンロードする(PDF:13.6MB)
【過去に十分な調査を行っているため、同様の調査は不要と判断しています】
  • 市では、こうした調査結果や平成30(2018)年度の地震以降の庁舎の状態といった客観的な数値から、「現庁舎は60年を超えて使用できない」という結論を出し、同様の調査は不要と判断しています。
  • 「過去の調査は部分的で、コンクリートコアをもっと多く(数倍程度)採取して調べるべき」との意見もありますが、一般的には市の調査と同規模で十分とされています。
    例えば、文部科学省が示す「公立学校建物の耐力度調査説明書」では建物ごとに4か所、(一財)日本建築センターでは現庁舎相当の建物で24か所(1フロアあたり4か所)を基準としています。
  • (過去の調査と同様の調査となる)耐用年数調査は、短期間かつ数百万円の少額で実施できるのだから実施してはどうか、というご意見もありますが、耐用年数調査だけでは、建物を使い続けるために必要な費用を算出することはできず、少なくとも2年程度の設計期間と、1億円以上の設計費が必要です。可能性が低い比較検討に、そのような多大なコストはかけられないと判断しています。
  • このような市の考えを示す中で、令和7(2025)年8月には、市民団体から「現庁舎の残存耐用年数調査を求める請願」が議会に提出され、審査が行われた結果、同年の9月議会において「採択せず」として議決されています。
Q23.耐震改修をすれば、建物が丈夫になり、耐用年数も伸びるのではないか。
 A23.【耐震化だけでは、耐用年数は延びません】
  • 耐震化については、地震のゆれに対して倒壊を防ぐための補強をするもので、現庁舎の場合は、ブレースという筋交いを柱間に埋め込むものです。

  • 躯体の改修では無いため、耐用年数が延びることはありません。

Q24.新庁舎に移転後、現庁舎は利用しないのか、いつ解体するのか、敷地の次の利用はどうなのか。
 A24.【現庁舎は、危険なため使用しません。敷地の次の利用方法は、現在は未定です】
  • 現庁舎は危険な状態のため、利用はせず、解体まで閉鎖します。

  • 解体については、敷地の次の利用方法が決定した後に、財源等を検討のうえ実施します。

  • 敷地の次の利用方法については、現時点で決まったものはありません。