2021.11月議会市長所信表明

 2期目の市政を担うにあたり、私の所信を表明させていただきます。

 私は、先の市長選挙におきまして、再び当選させていただき、引き続き、2期目の市政を担わせていただくこととなりました。ご支援をいただいた全ての皆様に感謝申し上げます。
 私は、今回の市長選挙を通じて、市民の皆さんに大田市の置かれている厳しい現状に対する危機感の共有を訴えてまいりました。

 その第一は、出生数の減少であります。私が市長に就任した4年前の出生数は、230人前後で推移しておりましたが、本年は、160人前後となる見込みです。来年、成人式を迎える20歳の方は、約320人ですので、20年間で、出生数は半減したことになります。その要因としては、20代・30代の若者、特に、女性の割合が大きく減少しており、若者の定住対策は、本市の施策において大きな柱の一つであります。そのためには、若い方に大田市に帰っていただける魅力的な雇用の場を、いかに作っていくかが大きな課題であり、これは、私に課せられた大きな使命であります。

 第二は、公共施設についてであります。市の公共施設の多くは、昭和50年代から平成の初めにかけて建設されたものであり、今後、20年の間には、多くの建物が更新期を迎えることとなります。先に策定した公共施設の適正化計画では、今後、総延床面積を30パーセント削減していく目標としています。市役所庁舎、市民会館、小・中学校などの建物を、どういった規模、優先順位で更新をするかなど、難しい課題ではありますが、この4年間で、ある程度の道筋をつける必要があると考えております。

 第三は、厳しい財政状況であります。出生数の減少により、市の人口は、減少に歯止めが利かない状況にあります。人口減少が進むことにより、今後、市の財政状況がより厳しさを増していくことが予想されます。「第2次大田市総合計画」を着実に実行していくためにも、歳入の確保を図り、事業の不断の見直しに取り組み、健全な財政運営をしていかなければなりません。

 厳しい財政状況ではありますが、私は、2期目のまちづくりに確かな手ごたえを感じています。それは、1期目の「共創のまちづくり」を通して得た、市民の皆様、そして、市に関わる全ての皆様とのつながりです。様々な方々とつながり、島根県西部地震や新型コロナウイルス感染症への対応などを乗り越えてきた4年間は、「第2次大田市総合計画」に掲げる将来像「子どもたちの笑顔があふれ、みんなが夢を抱けるまち❝おおだ❞」を実現するための土壌となりました。市役所の中だけで考え、決めるのではなく、市民の皆様に情報を公開し、対話を重ね、共に考える行政を、より一層進めてまいります。
 市民の皆様には、厳しい現実も受け入れていただかなくてはなりません。全ての方々の希望を叶えることはできないかもしれません。それでも、市民の皆様とこの危機感を共有し、一緒に汗をかき、行動することが、一つ一つの課題解決につながるものと確信しております。
 若者の定住や、産業振興、教育、福祉、医療、都市基盤整備など、取り組むべき施策や解決すべき課題は山積しています。それぞれの具体的な施策については、3月の施政方針において、改めて述べさせていただきますが、2期目は、4年後の大田市だけではなく、10年後、20年後の大田市の未来を思い描きながら、着実に「共創のまちづくり」を進めてまいります。

 引き続き、市民の皆様並びに市議会の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。