施政方針を説明する市長

はじめに

 令和7年第2回大田市議会定例会の開会にあたり、新年度の市政運営につきまして、私の所信を申し上げ、市民の皆さま並びに市議会議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 はじめに、市政運営全般について申し上げます。

 全国的に人口減少が進む中、本市においてもその進行は加速しつつあります。昨年3月、本市の人口は32,000人を割り込みました。10年前までは約240人で推移していた出生数が、令和6年に136人に減少したことに加え、転出の超過も続いています。
 人口減少問題は、地域経済や地域活力の低下を招き、市民の皆さまの生活に深く影響を与えます。財政状況は一層厳しくなり、行政サービスの水準を維持することが困難になるほか、産業、健康、福祉、教育など、あらゆる分野の構造が大きく変わるため、常に状況を注視し、市政運営の方向性を見極めていかなければなりません。
 本市では、昨年度から「総合的な人口減少対策事業」において、関係機関や子育て世代の方々で構成する調査検討委員会を設置し、より効果的な施策の構築について議論・検討を重ねています。若年層のU・Iターンの促進を主眼に据え、産業活性化と雇用の拡大、結婚支援、子育て施策の拡充や教育環境の充実など、各種施策を有機的に連携させ、総合的に取り組みを進めてまいります。
 新年度においては、都市部からの人の流れを創り出し、関係人口や交流人口を拡大する取り組みの検討に併せ、官民が連携して空き家を活用するなど、人口流入の受け皿となる住居対策の構築を進めてまいります。
 人口減少対策は、本市に関係されるすべての皆さまと力を合わせ、共に取り組みを進める必要がありますので、ご協力をお願いいたします。

 山陰道は、3月2日に、「出雲・湖陵道路」、「湖陵・多伎道路」が開通し、利便性が飛躍的に向上します。「命の道」として緊急時の移動時間の短縮や、安全性の向上など、幅広い分野において様々な効果をもたらすものと大いに期待しています。
 物価高騰等により、市内事業者を取り巻く環境が依然として厳しい状況にある中、観光や産業面における人流や物流の活発化など、新たなビジネスチャンスが生まれるものと思います。
 この開通を契機に、NEXCO西日本、西日本高速道路株式会社様との連携を強化し、より多くの皆さまに本市に来訪していただけるよう、情報発信に力を入れてまいります。

 小・中学校の再編・統合につきましては、今年度に見直した「学校のあり方に関する実施計画」に基づき、児童・生徒にとって、よりよい教育環境の確保に繋がるよう、取り組みを進めてまいります。
 令和8年4月に統合する五十猛小学校・静間小学校・鳥井小学校につきましては、統合先となる静間小学校の施設整備や通学手段の確保など、必要な準備を進めるとともに、第三中学校の閉校、朝波小学校の久手小学校への統合、三瓶地域の小・中学校の近隣校への統合など、保護者や地元の皆さまと協議・検討を進めてまいります。
 大田小学校・久屋小学校・川合小学校の統合に伴う新校舎建設につきましても、令和11年4月の開校に向け、実施設計に着手いたします。
 併せて、北三瓶小・中学校の近隣校への統合に際し、関連する山村留学センターについて、今後のあり方を検討してまいります。

 2年後の令和9年には、「石見銀山遺跡 世界遺産登録20周年」、「石見銀山発見500年」という大きな節目を迎えます。今年度は、関係機関に参画いただき、実行委員会を設立し、各部会を中心に検討・準備に着手しました。
 石見銀山遺跡の「魅力化」と「持続化」を基本方針に据え、世界遺産の持つ魅力と価値を的確に伝えるための環境の整備や、次世代の人材育成をはじめとした持続可能な地域づくりを進めてまいります。
 新年度は、友好館協定を締結した台湾の「黄金博物館」の皆さまをお招きし、7月2日の世界遺産登録記念日に花を添えていただきます。これを機に、官民が一体となって取り組み、市全体が盛り上がるよう機運の醸成を図ってまいります。

 新庁舎の整備につきましては、昨年3月に策定した基本計画に基づき、施設の構造やレイアウト、備えるべき機能などをまとめ、基本設計を行っています。
 隣接する「子育てにかかる総合支援拠点施設」の整備につきましては、市内に分散していた支援機能の集約及び連携により、相談・支援体制の強化を図り、きめ細やかな子育て支援の実現に向け、実施設計を進めてまいります。
 耐震性の向上により市民の皆さまの命を守る拠点となるよう、また、皆さまの交流の場として快適に利用していただけるよう、整備を進めてまいります。
 整備にかかる財源の確保につきましては、新年度から5年間、市長、副市長、教育長及び職員の給与を減額するほか、各種補助事業や有利な条件の起債などの活用を見据え、情報収集や要望活動を行ってまいります。

 新年度は、令和9年度に開始年度を迎える「第3次大田市総合計画」の策定作業に着手いたします。これまでの施策を検証するとともに、次代の大田市を担うこどもや若者を含めた市民の皆さまのご意見を伺いながら、「次の10年」に向けた計画づくりを進めてまいります。

 平成17年10月1日に旧大田市、邇摩郡温泉津町及び仁摩町が合併して誕生した本市は、本年10月に合併20周年を迎えます。節目を迎えるにあたり、準備委員会を中心に記念式典等の準備を進めてまいります。

 主要施策の概要

 それでは、本会議において、ご審議いただきます諸議案の説明に先立ちまして、主要施策について、「第2次大田市総合計画・後期計画」に掲げる施策体系に沿って、申し上げます。

第1の柱「多様で活力ある産業づくり」について

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第2の柱「ふるさとを愛する豊かな心づくり」について

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第3の柱「だれもが住みよい暮らしづくり」について

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第4の柱「くらしや交流を支える都市基盤づくり」について

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第5の柱「人と自然が共生した、自然・生活環境づくり」について

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第6の柱「協働・共創による持続可能なまちづくり」について

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以上、主要施策の概要を申し上げました。

 予算案等提案理由

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 市民の皆さま、市議会議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、私の施政方針並びに提案理由の説明といたします。

 

◆全体版(一括)

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