第168回直木賞受賞記念「しろがねの葉」トークイベント開催(4月16日)
4月16日、大田市民会館で、石見銀山を舞台とした千早茜さんの小説「しろがねの葉」が第168回直木賞を受賞したことをお祝いし、石見銀山への想いや執筆のエピソードなどをお聞きするトークイベントを開催しました。
トークイベントでは、千早さんは「間歩カラー」とご自身でも呼んでいる、直木賞受賞時にも着ておられた黒の服と「しろがね色」(銀色)のブーツで登場されました。
開催に先立ち、市長より記念品として石見神楽面を贈呈しました。
トークイベントは山陰中央新報社大田支局の曽田元気支局長が聞き役となり、対談形式でおこなわれました。
執筆の経緯をお聞きする中で、千早さんは「時代小説を書くのは初めてで自分にとっても挑戦であった」ことや、2011年に初めて石見銀山を訪れ、地元ガイドから「石見銀山の女性は夫を三人もつ。それくらい鉱山で働く人の寿命は短かったと聞いた」ことが着想のきっかけであったことなどを語りました。
執筆にあたっては、石見銀山の現地を訪れ、小説に登場する場所はほとんどご自身で歩きながら取材したことなども紹介しました。方言にはかなり気をつかい、ご自身で方言の一覧を作り、石見弁と出雲弁の違いも勉強しながら登場人物たちの会話を描いたそうです。
今回久しぶりに石見銀山を訪れた千早さんは「緑の色がとても懐かしく感じた」と、現地の印象を語りました。石見銀山の魅力は「想像が阻害されず、自分の想像力を信じることができるところ」だと言い、蝋人形などの作りものの解説がなく、生のままの坑道や自然、リアルな生活風景が残っているところに惹かれると話しました。
最後に来場者に対して「『しろがねの葉』の作品を受け入れてくださり、ありがとうございます」と結びました。