Q1.新庁舎整備がなぜ今必要なのか。

 A1.【防災機能の強化、市民の利便性向上、経済性の点から、早期建替えが必要です】

現庁舎は、昭和57(1982)年2月に完成しましたが、下記のような課題があります。

【現庁舎の主な課題】

  • 建物、設備の老朽化や平成30(2018)年の地震被害などにより、残り耐用年数は、築60年となる令和24(2042)年2月までと判断しています。
  • 耐震性が不足しており、震度6,7の大震災で建物の倒壊又は崩壊のおそれがあります。
  • バリアフリーや省エネ、執務室のOA化といった近年の課題に対応できていません。

防災拠点としての災害時の業務継続や、建設物価の上昇が続いている状況から、耐震性確保を含めた防災機能の強化、市民の利便性向上、経済性の3つの点で、早期の建替えが必要です。

Q2.新庁舎整備は決定事項なのか。
 A2.【整備の進捗段階に応じて議会や説明会等で状況をご説明し、ご意見を伺いながら進めています】
  • 現時点では、これまでの方針と建設予定地において整備することを前提に、設計を進めています。

  • 最終的な規模や仕様、事業費、工事の進め方といった詳細については、引き続き進捗段階に応じて議会や説明会等でご説明し、ご意見を伺いながら、決定してまいります。

Q3.事業はどのように発注されるのか。
 A3.【従来型の分離発注方式を前提に、事業者のみなさまが参加を検討しやすいよう、早期にお知らせしながら進めます】
  • 昨今の社会情勢において、建設現場の人手不足が進んでいる状況や、実施設計・建設工事一括発注方式の入札不調が全国で多く見られる状況があることから、令和7(2025)年6月に、実施設計と施工を分離して発注する、従来型の分離発注方式で進めることとしました。
  • 施工段階における工事の分割発注の範囲や入札における参加対象者・評価等の各種手法については、現時点では未定ですが、事業者が検討しやすいよう、設計、積算の精度を高めつつ、なるべく早期に詳細な発注方法をお知らせします。
Q4.これまでの整備検討の経過を知りたい。
 A4.【これまでの経過の詳細は、こちらのページで紹介しています】
Q5.建設予定地はどこか。どのように決定したのか。
 A5.【建設予定地は、市の立地適正化計画と市民のみなさまの意見を踏まえて決定しています】
  • 市の立地適正化計画では、大田町北部を「中心拠点」として、居住地域や都市機能を誘導することとしています。新庁舎は、この「中心拠点」内で必要な大きさの敷地を確保できる市有地に、候補地を選定しています。

  • 令和3(2021)年度には、市民ワークショップ「大田市役所本庁舎の整備を考える会」および市民アンケートで、候補地を検討しています。候補地は「現位置」「市民会館周辺」「大田市駅前」「その他(自由提案)」の 4 つとし、利用者の利便性や業務効率、行政サービスの向上、にぎわい創出といった効果も考慮し、集約方式か分庁舎方式かを検討しました。

  • その結果多く選ばれた(アンケート全413件のうち 83%)大田市駅前に、集約方式で整備する方針とし、令和4(2022)年度に実施した「市長と語る会」等での市民と意見交換や、民間委員からなる公共施設適正化推進委員会、議会等での説明を経て、令和5(2023)年3月に策定した「大田市新庁舎整備基本構想」で決定しました。

Q6.建設予定地は災害上の問題はないか。
 A6.【安全な立地で、十分な耐震性の構造です】
  • 建設予定地は、浸水、土砂災害、津波いずれも影響のない立地です。

  • 法律上もっとも厳しい耐震基準を満たす構造とするため、各種災害に対して安全な造りとなります。

Q7.廃校など既存施設の利用ができれば、新庁舎整備は不要ではないか。
 A7.【一部の既存施設を利用し、職員の分散を図りますが、庁舎整備は必要です】
  • 廃校舎の改修利用は、市街地に近い校舎はいずれも現庁舎と建築年が近く、過去の地震被害も含め老朽化が進んでいるため、長期利用は困難です。

  • 既存施設の利用は、「市民の利便性のため本庁舎と市街地に近いこと」「低コストの改修で長期利用ができること」を条件に、基本設計段階で検討しました。

  • 検討の結果、一部部署は中央図書館、衛生処理場、旧松江国道事務所を利用することとしましたが、

    そのほかには適当な施設が無く、現在の設計規模の庁舎整備は不可欠と判断しています。

Q8.市内の空家や商店街の空き店舗などに、部や課などで分散し、DX化によりオンラインでの連携を推進すれば、新庁舎整備は不要ではないか。
 A8.【細やかな市民対応のためには、なるべく一箇所に集合した方が、効率的で効果も期待できます】
  • 近年は、行政需要の多様化から、一つの部署では解決できない業務も多く、細やかな市民対応や、多分野にまたがる課題解決、政策形成のために、部署を横断した連携がより重要となっています。
  • 市民の相談対応や庁内の合意形成、人材育成といった観点からは、一箇所に集合した方が効率的で、効果も期待できます。

【コスト的には、同じ面積であれば、一箇所で整備した方が有利です】

  • コスト面では、一箇所で整備をした方が有利となります。
  • 庁舎は民間施設と比べて高い水準の安全性やセキュリティが求められるため、耐震性の向上や非常用発電設備、セキュリティ対策の改修が必要となります。こうした改修を一箇所で行うことに比べ、分散時は面積あたりのコストが高くなります。
  • バリアフリーに必要なエレベーター、多機能トイレ、点字ブロックといった設備等も建物ごとに整備する必要があり、光熱水費などの維持管理コストも割高となります。
Q9.学校やまちづくりセンターといった市民生活に直結する施設の耐震化などを優先すべきではないか。
 A9.【すでに一定の大きさの施設では、ほぼ全て耐震化が完了あるいは建替え等の目途が立っています】
  • 平成21(2009)年度から市内公共施設の耐震診断を行っており、市民や子どもの利用が多い施設を優先し、耐震性の無い施設の耐震化や建替えを進めています。

  • 小中学校や保育園、幼稚園は、学校再編に併せて利用方針を検討中の大森小学校と、令和10(2028)年度移転予定の大田保育園を除き、対応完了しています。

  • まちづくりセンターは、対応方針を検討中の久利、波根、大代まちづくりセンターを除き、対応は完了しています。

  • そのほか、主要なものでは市民会館、総合体育館で耐震化を、消防本部、市立病院で建替えを行いました。仁摩支所も今後移転を予定します。

  • 以上のように、一定の大きさの施設では、ほぼ全てで対応を完了するか、対応方針の目途が立っており、新庁舎整備が最後期の対応となります。

Q10.建物はどれくらいの大きさになるのか。将来も人口減少が進むと考えられるが、庁舎規模をどう考えるか。
 A10.【2050年ごろの人口にあわせた、コンパクトな庁舎です】
  • 建築面積が約40m×50mの約2,000㎡、屋内の延床面積が約5,974㎡で、現庁舎の約60%の大きさです。

    人口1万5千人~2万人程度の市が適正としているサイズです。

  • 大田市人口が2万人以下となる予測は、令和32(2050)年頃ですので、庁舎整備から約20年後の人口に合わせたコンパクトな庁舎となります。

    (国立社会保障・人口問題研究所 地域別将来推計人口の令和5年度推計による)

  • 当初は、一部部署を既存施設に分散する分庁舎方式で対応しますが、最終的には新庁舎に集約することを前提としています。

【人口1万5千人~2万人規模の他市の例】

  • 近年庁舎整備を行った人口1万5千人~2万人の市の庁舎規模は、平均6,356㎡です。県内では人口約2万人の江津市庁舎が5,724㎡で、現設計と同規模です。

Q11.令和4年の構想段階から面積や事業費が増加し、令和6年の計画段階からは減少している。過去の説明から面積や事業費が変化した理由は。
A11.【基本構想~基本計画段階での面積・事業費増加の理由について】
  • 令和4(2022)年度の「市長と語る会」で説明した内容と、令和5(2023)年度末の「基本計画」で示した内容の差としては、以下の理由があります。

面積の増
6,000㎡→8,200~8,500㎡

・R4年度:国の基準による最小限の事務機能で積算
・基本計画:待合やバリアフリートイレなどの必要機能面積を追加

面積単価の増
50万円/㎡→75万円/㎡

・人件費や建築資材などの建築費の上昇
・構造を木造から頑丈なRC造・鉄骨造として再度積算
・省エネ(ZEB化)に関する事業費の追加

事業費の増
30億円→81~85億円

 ・R4年度:建築工事費のみ
・基本計画:地盤調査費、移転費、備品購入費や用地の補償費などの諸経費を追加
 (庁舎本体の工事費は61.5~65.5億円)

 

【基本計画~基本設計素案段階での面積・事業費削減の理由について】

  • 基本計画では、要望のあった機能を一通り盛り込む形としていました。
  • 令和6(2024)年10月から開始した基本設計では、令和7(2025)年6月に中間報告としてまとめる形で、基本計画で検討された内容を、一通り具体的に反映しました。
  • この中間報告について、議会や市民説明会などで、より一層の床面積や事業費の削減が必要とのご意見を多くいただいたことや、具体的な積算に入って行く中で、建築物価の上昇を加味することや、市の財政負担を踏まえた事業費を検討し、必要最小限の機能の取捨選択を行いました。
  • こうしてまとめた令和8(2026)年2月の基本設計素案において、面積は5,974㎡に、概算事業費は71.8億円に削減しました。

Q12.ZEBとは何か。省エネについて、ZEBはどういう利点があるのか。

A12.【ZEBについて(環境省「ZEB PORTAL」より)】
  • Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。

  • 快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。

  • 建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。

 【ZEB化は、公共施設を新しく建てる場合の努力目標となっています】
  • 令和7(2025)年度の建築基準法改正で、全ての新築建築物が国の省エネ基準への適合が義務付けられるとともに、新築の公共施設については、「率先したZEB化の推進」を行うものとして、ZEB Ready(標準的な建物から更に50%の省エネの達成)相当を目指す努力目標を課されています。
  • したがって、新庁舎においてもZEB Readyの取得を目標としています。
 【ZEB化をすると、財源や維持費の点で通常の設備よりも有利です】
  • 省エネ性能が向上することにより、現庁舎と比べて環境負荷を低減できるとともに、光熱水費が大幅に節減できるため、ライフサイクルコスト(建設から使用期間の維持費、解体までを含めた総コスト)の削減が期待されます。
  • ZEB化にあたっては、令和12(2030)年度までの事業に限り、国が一部費用を負担する有利な財源(脱炭素化推進事業債)が活用できます。
Q13.議場など、年に数回しか使用しない部屋を整備する必要があるのか。議会関係の部屋を多目的利用する事例もあるが、大田市では行わないのか。
 A13.【市の会議や災害対応など、多目的な利用を想定します】
  • 本会議場の床面は段差が無く、机、椅子を簡単に移動でき、議場以外の用途でも利用可能な造りとします。委員会室も同様です。議会の閉会時期には、市が主催する会議等で使用できるようにするため、年間の使用率は高くなります。

  • 災害時には、応援職員の執務室や休憩室として転用できる仕様とします。これにより、国が一部費用を負担する防災関係の有利な財源(緊急防災・減災事業債)が活用できます。

  • 温泉津支所など、他施設で議会を行うことを検討しましたが、議会中の関係職員の移動などが発生するため、非効率であると判断しています。

Q14.なぜ駐車場を平面ではなく、立体としたのか。
 A14.【来庁者の利便性と土地の形状を踏まえて、立体としています】
  • 来庁者用の駐車場は隣接する必要があります。また、業務の時間効率から、速やかな公用車の利用も必要です。平面駐車場では収容台数が不足するため、駐車場の立体化が必要です。

  • 平面駐車場と比べた利点として、駅通りと駐車場への接道は3m程度高い位置にあり、立体駐車場の方が、高低差が少なく進入できます。

  • 二階建てで屋根があることにより、防災上の利活用(一時避難場所や物資集積所)も想定します。

Q15.立体駐車場は使いにくく、危険ではないか。
 A15.【来庁者用駐車場は二階のため、平面駐車場と同じように利用できます】
  • 来庁者用の駐車場は二階で、駐車スペースに柱類も無いため、平面駐車場と同様に、高低差なく、見やすく、停めやすい形状です。
Q16.立体駐車場よりも、近隣の土地を購入した方が安いのではないか。例えば、まとまった広さのあるパル跡地は使えないのか。
 A16.【パル跡地を含めて、利用できる適地が無いのが実情です】
  • 「大田市中心市街地活性化長期計画」(令和4(2022)年3月策定)では、「中心市街地を維持・発展するためには中心市街地へ『来る目的』をつくること」とし、パル跡地は「大規模店舗跡地の活用」として民間事業者が担うこととしています。
    また、跡地の商業利用を条件に、建物解体費の一部を市が補助(令和4(2022)年6月補正予算)しているため、パル跡地の駐車場利用は検討していません。

  • そのほかに、近隣に駐車場にできるまとまった土地はありません。

Q17.これまで公表してきた事業費は、どのように変わったのか。
 A17.【物価上昇に応じて、全体事業費を抑えるように努めています】
  • 令和4(2022)年4月の説明会時点では、平米単価50万円と設定し、庁舎本体の概算工事費のみで約28~36億円程度としました(面積6,000㎡、外構工事や備品購入費を除く)。

  • 令和6(2024)年3月の基本計画時点では、平米単価75万円と設定し、各種事業費を含め総額81~85億円(面積8,200~8,500㎡)としました。

  • 基本設計素案では、令和8(2026)年2月時点の物価で総額71.8億円、将来的な物価上昇を踏まえて84.9億円(面積6,000㎡)としました。平米単価では93~111万円となります。

Q18.現庁舎を少しでも長く使用するなどして、物価上昇が落ち着いてから整備した方がよいのではないか。
 A18.【物価上昇は続くと考えられるため、時間が経つほど費用が上昇します。事業の早期実施が将来負担の減につながります】
  • 現在の建設物価上昇の主な原因としては、建設業界の人手不足による人件費上昇が挙げられています。

    人口減少が進む中で、人手不足が解消する可能性は低く、引き続き物価上昇は続くと考えられます。

  • 令和5(2023)年初から令和7(2025)年末までの3年間で建設物価は約4.3%/年上昇しており、令和8(2026)年2月の概算事業費(84.9億円)を基にすると、1年遅れるごとに3.6億円程度が増加する計算になります。

  • 少しでも早期に事業を行うことが、事業費を抑え、将来負担の減につながります。

Q19.現庁舎の耐震改修をしないのはなぜか。
 A19.【現庁舎の耐用年数は、標準的な期間を超えません】
  • 現庁舎は昭和57(1982)年完成の、旧耐震基準の建物です。

  • これまで現庁舎では、長期使用を行う際に必要となる大規模改修(およそ20~30年毎)を行っていませんでした。

  • 平成21(2009)年度に実施した耐震診断調査での建物の状態や、平成30(2018)年度の島根県西部地震による被害、その後の一級建築士の資格を持つ複数職員による目視調査の結果などから総合的に判断し、現庁舎の耐用年数は60年(市が定める標準的な耐用年数)を超えることはないと判断しています。

【わずかな使用期間のために、多額の費用をかけて改修することになります】
  • 耐用年数の延長を伴わない、耐震化などの安全性向上や故障のおそれがある設備更新だけでも、約55.2億円の改修費が必要と積算しています。
  • 改修に要する期間(令和8(2026)年度~令和11(2029)年度)を除くと、現庁舎の残り使用できる期間は、令和12(2030)年度~令和23(2041)年度のわずか12年であり、多額の費用をかけて改修しても、12年後には新庁舎整備が必要となります。
【現庁舎を使い続けた後に新庁舎整備をすると、物価のさらなる上昇に加えて、有利な財源も使えず、市の負担が大幅に増えます】
  • 現庁舎の耐震改修後に新庁舎整備を行うと、12年遅れた結果、物価がさらにあがり、大幅に費用があがります。上昇額は約50.2億円と考えられます。
  • 現庁舎改修を行うと改修後の新庁舎整備では有利な地方債制度(緊急防災・減災事業債)が活用できないため、大幅に割高となります。現在の設計で予定する有利な財源は約20.1億円あるため、それだけ市の負担が増えます。
Q20.現庁舎の耐震改修にかかる費用は、どの程度か。どう計算したのか。新庁舎整備と比較してどうなのか。
 A20.【現庁舎の耐震改修工事には約48.7億円、使用中全体でかかる費用は合計60.0億円です】
  • 現庁舎の使用を続けるためには、耐震化工事、設備等の改修工事、将来的な設備更新、光熱水費などの維持管理費がかかります。

  • 耐震改修工事には、地方債による国からの補てんも含めた実質負担額で、約48.7億円がかかる計算です。

  • 将来的な設備更新費に6.5億円、維持管理費が4.8億円で、改修後12年間使用するにあたり、合計60.0億円がかかります。1年あたりコストは5.00億円です。

  • 現在の設計における新庁舎整備の実質負担額が64.8億円であり、現庁舎を維持するためにはほぼ同額がかかります。
【計算方法について】
  • 築60年までの使用として、令和8~9年度設計、令和10~11年度施工 令和12年度供用開始で、令和12(2030)年度~令和23(2041)年度(2042年2月)まで12年使用する想定です。
  • 工事は、平成25(2013)年に実施した耐震改修に関する基本設計を基に、物価上昇や工事の不足部分の追加積算を行い、算出しています。
  • 工事は、活用できる有利な地方債を加味(▲約9.7億円)した実質負担額で積算しています。
  • 維持管理費は、(一財)建築保全センターの提供する、保全マネジメントシステム(BIMMS)およびLCC計算プログラムを用いて、面積モデルで算出しています。
【新庁舎整備との比較について】
  • 建設工事費は、現在の設計を反映しています(有利な財源を加味した実質負担額64.8億円)。
  • 将来的な設備更新費16.7億円と維持管理費9.8億円は、現庁舎の計算と同様に、BIMMSおよびLCC計算プログラムから面積モデルで算出しています。
  • 合計91.3億円となります。1年あたりコストは2.28億円です。現庁舎と比較して1年あたり2.72億円安価です。
【現庁舎を使い続けた後に新庁舎整備をすると、物価のさらなる上昇に加えて、有利な財源も使えず、市の負担が大幅に増えます】
  • 整備が12年遅くなることで、毎年4.3%の物価上昇がある場合に約50.2億円、有利な地方債が使えない財源減で約20.1億円の、合計70.3億円が負担増となります。
  • 新庁舎整備64.8億円と比較して、現庁舎にほぼ同額の60.0億円がかかるだけでなく、新庁舎1棟の建設費を上回る追加負担がかかることとなります。

pdfファイル「改修・新築コスト比較表」をダウンロードする(PDF:609kB)

Q21.現庁舎の耐用年数はなぜ60年としているのか。他自治体では60年を超えて使用している庁舎もあるが、何が違うのか。
 A21.【耐用年数は建物の利用経過によって異なります。現庁舎については、過去の経過のほか、状態調査結果、専門資格を持つ職員の目視等の確認結果を基に、総合的に判断しています】
  • 市では、日本建築学会が示している鉄筋コンクリート造の一般的な耐用年数を基に、標準的な耐用年数を60年としています。

  • 一般的に建物を長期的に維持するためには、定期的に大規模改修を行う必要があります。現庁舎ではこれまで大規模改修を行っておらず、平成30年の地震による被害もあり、鉄筋の爆裂や雨漏り、ひび割れ、塩害による錆など、建物の劣化が進んでいることを現地確認しています。

  • 平成21(2009)年に実施した耐震診断調査の段階で、耐震性の不足のほか建物の一部でのコンクリートの中性化進行など、劣化を確認しています。

  • このような各種状況を踏まえて、一級建築士の資格を持つ市職員が総合的に判断し、標準的な耐用年数である60年を超えた使用はできないという判断をしています。

【県内他市で用いた、第三者の学術的な推定値でも、同様の結論となります】
  • 建築分野で取り扱う学術的な推定値でも、現庁舎の耐用年数は60年程度となります。
  • 松江市が平成26(2014)年に行った残存耐用年数調査では、依田彰彦足利工業大学名誉教授の推定式(「鉄筋コンクリート造建物の耐久設計と診断・改修」)に基づき、推定耐用年数を計算しています。
  • 同様の方法で大田市現庁舎屋内の推定耐用年数を計算すると、約63年という結果になります。
【推定式に関する論文リンク】

(依田彰彦「鉄筋コンクリート造建築物の中性化と耐用年数予測」マテリアルライフ学会誌2005年1月)

 

【推定式に用いた条件】
  • セメント種類:高炉セメントB種
  • 水セメント比:65%(当時の一般的な割合で松江市も採用)
  • 鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さ:40mm(当時の完成図では30mm以上と指示)
  • コンクリートの締固め係数:普通
  • 仕上げ材:モルタル10mm厚(H21耐震診断時の平均値)
  • 環境条件:海岸近接地域

【推定耐用年数】=【締固め係数】0.25×【仕上げ材】3×【環境条件】0.8×60.2÷(100×【水セメント比】65%-34.8)^2×【コンクリートかぶり厚さ】40^2

➡【推定耐用年数】=63.3656【年】

 

このように、劣化状況を踏まえない一般的な計算式でも同様の結果となり、これまでの現庁舎の状況を踏まえると、やはり60年を超えた使用は困難と考えられます。

Q22.過去にどのような調査を行ったのか。耐用年数の調査は行わないのか。
 A22.【耐震診断のためにコンクリートの調査や建物のひび割れ、劣化の現地調査といった、建物の状態調査を行っています】
  • 平成21(2009)年度に耐震診断業務として、建物状態調査のためコンクリートコアを1フロア3か所、計18か所採取し、コンクリートの強度、中性化の深さを調べたほか、現地調査により、建物のクラック・劣化に関する確認調査を行いました。

  • 結果として、コンクリート強度は基準値を満たしましたが、地下や屋上、3階の一部で、中性化が鉄筋まで達している可能性があることが確認しました。

  • 地下や屋上では、無数のクラックや中性化が進んだため起きる鉄筋のさびによる爆裂がみられ、外壁では多数のタイルの割れも確認されました。

  • pdfファイル参考資料:「H21大田市役所庁舎耐震診断業務委託(抜粋)」をダウンロードする(PDF:13.6MB)
【過去に十分な調査を行っているため、さらなる調査は不要と判断しています】
  • 市では、こうした調査結果や平成30(2018)年度の地震以降の庁舎の状態といった客観的な材料から、「現庁舎は60年を超えて使用できない」という結論を出し、さらなる調査は不要と判断しています。
  • 「過去の調査は部分的で、コンクリートコアをもっと多く(数倍程度)採取して調べるべき」との意見もありますが、一般的には市の調査と同規模で十分とされています。
    例えば、文部科学省が示す「公立学校建物の耐力度調査説明書」では建物ごとに4か所、(一財)日本建築センターでは現庁舎相当の建物で24か所(1フロアあたり4か所)を基準としています。
  • (過去の調査と同様の調査となる)耐用年数調査は、短期間かつ数百万円の少額で実施できるのだから実施してはどうか、というご意見もありますが、耐用年数調査だけでは、建物を使い続けるために必要な費用を算出することはできず
  • 、少なくとも2年程度の設計期間と、1億円以上の設計費が必要です。可能性が低い比較検討に、そのような多大なコストはかけられないと判断しています。
  • このような市の考えを示す中で、令和7(2025)年8月には、市民団体から「現庁舎の残存耐用年数調査を求める請願」が議会に提出され、審査が行われた結果、同年の9月議会において「採択せず」として議決されています。
Q23.耐震改修をすれば、建物が丈夫になり、耐用年数も伸びるのではないか。
 A23.【耐震化だけでは、耐用年数は延びません】
  • 耐震化については、地震のゆれに対して倒壊を防ぐための補強をするもので、現庁舎の場合は、ブレースという筋交いを柱間に埋め込むものです。

  • 躯体の改修では無いため、耐用年数が延びることはありません。

Q24.現庁舎は利用しないのか、いつ解体するのか、敷地の次の利用はどうなのか。
 A24.【現在の建物は、危険なため使用しません。敷地の次の利用方法は、現在は未定です】
  • 現庁舎は危険な状態のため、利用はせず、解体まで閉鎖します。

  • 解体については、敷地の次の利用方法が決定した後に、財源等を検討のうえ実施します。

  • 敷地の次の利用方法については、現時点で決まったものはありません。