町並み保存制度

 歴史的な町並みの景観を構成する建物の外観は市民共有の財産という考え方にたち、町並み保存条例では、保存地区の中での家の修繕、増改築、新築などは市の許可が必要となっています。市では、このような取組みを支援するために補助制度を設けています。伝統的な建物の外観を復原する際には、その費用うち80%以内で800万円を限度とし、新築や増築などの場合にも60%以内、600万円を限度に補助しています。そのほか、石垣や生垣など景観に係わるものにも補助制度があります。また、伝統的な建物の場合には、固定資産税を非課税にするなどの支援もしています。こうして、町並みは地元の人々と行政が一体となって、永続的に守られています。

 上記でも記載してありますが、町並み保存地区内で、家の修繕、増改築、新築といった現状変更を行う場合には、市の許可が必要になりますので、事前に石見銀山課までご相談ください。

町並み保存地区

当市には、2つの町並み保存地区があります。

(1)大田市大森銀山伝統的建造物群保存地区(鉱山町)

面積:約162.7ヘクタール 国選定:昭和62年12月5日 国追加選定:平成19年12月4日
 

大森銀山地区は、銀山柵内に隣接して発展した江戸幕府直轄地の石見銀山料(約48千石)約150ヵ村の中心の町です。町並みは、銀山川沿いの谷間に延びる約2.8kmの範囲で、代官所跡や郷宿、武家屋敷、商家などがまとまって現存しています。また、町並み背後の山裾や銀山柵内の銀山地区には社寺や石切り場なども残され、鉱山町の歴史的景観を良好に伝えています。

※銀山柵内(ぎんざんさくのうち)・・・16世紀前半から本格的に開発され、20世紀まで操業された銀鉱山遺跡本体。江戸時代の初めに鉱山の周辺を柵で囲み絵図に「柵内」と描かれている。

なお、大森銀山地区には町並み保存の中核的機能を備えた施設「町並み交流センター、大森まちづくりセンター」があります。この建物は、明治23年に松江地方裁判所管内大森区裁判所とし開設されました。近代の大森の象徴ともいえるこの建物は、平成2から4年度にわたり復原・整備され、今日では各種団体の会合や発表会、シンポジウムなどに利用されています。

(保存地区範囲図)

高台から見下ろした大森の赤瓦の町並み

 

(2)大田市温泉津伝統的建造物群保存地区(港町・温泉町)

面積:約36.6ヘクタール 国選定:平成16年7月6日 国追加選定:平成21年12月8日

温泉津地区は石見銀山の外港、また北前船の寄港地として発達した港がある温泉町です。江戸時代以降の町割りをよく残し、町家、廻船問屋、社寺と地区名に由来する温泉旅館からなる伝統的建造物がまとまって現存し、それらが周囲の海や山とともに、港町、温泉町の歴史的景観を形成しています。

(保存地区範囲図)

温泉津の温泉街の写真

なお、大森銀山地区には町並み保存の中核的機能を備えた施設「町並み交流センター、大森まちづくりセンター」があります。この建物は、明治23年に松江地方裁判所管内大森区裁判所とし開設されました。近代の大森の象徴ともいえるこの建物は、平成2から4年度にわたり復原・整備され、今日では各種団体の会合や発表会、シンポジウムなどに利用されています。