市長施政方針を述べる

(はじめに)

 平成26年第2回大田市議会定例会の開会に当たり、新年度の市政運営について、私の所信を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は、昨年10月の市長選挙におきまして、市民の皆様の信託を得て、3期目の市政の舵取りを担わせていただくことになりました。

 平成17年の市町合併後、新市の初代の市長として就任して以来、早いもので8年が経過しましたが、振り返ってみますと、この間、政治、経済、地方自治を巡る情勢は急激に変化し、市政運営にとってもまさに激動の時代であったと認識しております。

 このような状況下にあって、私は大田市のまちづくりの“羅針盤”となる「大田市総合計画」を策定し、またこれに基づき、当市の産業の目指すべき方向を示した、「大田市産業振興ビジョン」や、安心して子どもを産み育てることができる子育てに理想的なまちの実現へ「次世代育成支援行動計画」、並びに効率的・効果的な行財政運営に向けて「行財政改革大綱」など、あらゆる分野の計画を策定し、それぞれの施策の推進に全力で取り組んできたところであります。

 今、「大田市総合計画」もいよいよ終盤の段階となり、新年度のスタートにあたりその実現に向け、スピード感を持って取り組まなければならないと思いも新たにしています。

 私のまちづくりの基本的方向は、地域にあるものをどう生かすのか、自然・歴史・伝統・文化、地場産業や人材等、地域独自の資源を効果的に活用し、市民と行政の協働により「魅力あるまち」「活力あるまち」を目指すことであります。

 大田市立病院を核とする地域医療の確保、産業活性化による雇用の場の確保と若者定住の促進、消防・防災対策の強化、教育・保健・福祉の充実、道路・下水道などの基盤整備等々、取り組むべき課題は山積していますが、市民の皆様とともに参画と協働のまちづくりを基本に、あらゆる可能性にチャレンジする所存であります。

(主要施策の概要)

 それでは、本定例会においてご審議いただきます諸議案の説明に先立ちまして、新年度の主要な施策について、「大田市総合計画」に掲げる施策体系に沿って、申し述べます。

第1は、「地域資源のネットワークによる活発な産業づくり」について

 地場産業の振興や新産業の創出、地域産業を担う人づくりなど、総合的な産業活動を支援する め、昨年6月に「大田市産業支援センター」を設立し、構成団体等と情報共有に努めてまいりました。産業支援センターの機能強化を図り、引き続き、市内事業者の課題や現状把握に努め、的確な支援策を検討・実施するとともに、新しい産業おこし等、活発な産業づくりに努めてまいります。

 『大田ブランドづくりの推進』につきましては、大田市産品の取引拡大に向けて積極的にPRを展開していくとともに、メイドイン大田創出支援事業、産業振興アドバイザー事業などによる、新たな技術や資源を生かした新産業の創出や、ふるさと大田創業支援事業等による賑わいの創出に引き続き、取り組んでまいります。

 次に、『観光振興』についてであります。
 昨年から今年にかけて展開いたしました「三瓶山国立公園指定50周年事業」でのさまざまな取り組みや出雲大社の「平成の大遷宮」の効果などにより、平成25年度の観光入り込み客数は昨年度比約2割増となる見込みであります。観光客の増加が今後も続くよう、出雲市、飯南町、美郷町など近隣自治体との連携はもとより、世界遺産「厳島神社」や「原爆ドーム」との連携も視野に入れ、本市の豊かな歴史・自然・文化の魅力を全国に発信してまいります。
 また、新年度は来訪者の滞在、消費を促すための取り組みを積極的に支援するとともに、台湾の旅行会社やメディアを招聘し、外国人観光客の誘致に向けた宣伝に取り組んでまいります。
 さらに、本年4月からは市の観光部署と大田市観光協会がよりいっそう連携を強化し、温泉、神楽、食など地域の特色を生かした観光商品づくりや、平成29年度の石見銀山遺跡世界遺産登録10周年などに向け、より効果的な施策を展開してまいります。

 次に、『農業振興』についてであります。
 農業を取り巻く情勢は担い手の高齢化や後継者の不足、米などの農作物消費の減少、遊休農地の拡大など厳しい状況にありますが、市内各地域においては「人・農地プラン」を策定し、それぞれの地域農業の将来について、誰がどのように農地を活用し農業に取り組んでいくのか、真剣に議論をいただいております。
 新年度には、生産意欲の高い農業者の支援を目的に、「人・農地プラン」において地域農業の中心的な担い手に位置付けられた農業者や営農組織等を対象に、経営規模の拡大や農業経営の多角化等に取り組む際に必要となる農業用機械などの導入に対し支援を行ってまいります。
 また、当市は県内有数の和牛の生産地であります。三瓶山周辺での放牧や集落組織による放牧は、農山村の景観形成や観光資源としても貴重な取り組みであり、肉用牛の生産振興は農業振興のみならず、広く地域の活性化に貢献するものと考えております。平成29年に宮城県で開催される「第11回全国和牛能力共進会」に向けて、引き続き肉用牛振興に取り組んでまいります。

第2は、「だれもが住みよく、安心・やすらぎを感じる生活づくり」について

 まず、『子どもを健やかに産み育てることができる環境づくり』についてであります。
 妊婦一般健康診査については、妊娠期の歯周疾患が低体重児の発生や早産の原因の一つとなっていることから「妊婦歯科検診」を新たに追加実施します。
 また、本年度実施した子育てに関するニーズ調査を踏まえ、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するため「大田市子ども・子育て支援事業計画」を策定します。
 さらに、「子ども・若者育成支援推進法」に基づき、社会生活を円滑に営むうえでの困難を有する子ども・若者を支援するため、「総合相談窓口」を開設するとともに「子ども・若者支援地域協議会」を設立し支援体制を整備します。

 次に、『健康づくりの推進と地域医療の充実・確保』についてであります。
 市民の健康増進については、胃がんの早期発見及び早期治療を促進するため、すでに実施しているエックス線検査のほか、ピロリ菌の有無や胃炎、委縮性を調べる「胃がんリスク検診」を追加するとともに、これらの受診費用の助成を実施します。
 また、骨髄液等を提供するドナーへの助成制度の創設により、経済的負担を軽減し、白血病や再生不良性貧血などの患者に対する骨髄移植の推進を図ります。
 地域医療体制の充実につきましては、島根大学医学部を基軸として、しまね地域医療支援センター等と連携し医師確保の取り組みを強めるとともに、地域枠推薦の医学生や看護学生との交流、年代に応じた地域医療学習や医療現場体験などにより、将来の医療従事者確保につながる取り組みを積極的に推進してまいります。
 また、中山間地域における医療確保対策や保健・医療・福祉の連携による一体的サービスの推進について検討を進めるほか、市内開業医の皆様のご協力による輪番制での休日診療等を引き続き実施してまいります。

 新病院の建設につきましては、本年度で基本設計を終え、新年度には実施設計を行うとともに、当初スケジュールどおり、建設予定地の敷地造成や病院周辺の排水対策工事に着手します。引き続き、平成29年度の開院に向け着実に事業を進めてまいります。
 市立病院は、新年度から地方公営企業法の全部適用に移行します。非常に厳しい病院運営の中ではありますが、引き続き、大田二次医療圏の中核病院として、また、政策医療を担う自治体立病院としてその使命と役割を果たしていくため、新病院事業管理者のもと職員一丸となって、安全・安心で質の高い医療の提供に全力で取り組んでまいります。
 特に、地域に求められている回復期リハビリテーション病棟の開設に向けた準備や「大田総合医育成センター」との連携強化に精力的に取り組み、新たな医療サービスの提供と診療機能の充実を図りながら、安定した病院運営と愛され、親しまれる病院づくりを今後とも進めてまいります。

 次に、『だれもが支え合い安心して暮らせる社会の実現』についてであります。
 「第5期介護保険事業計画」が最終年度を迎えることから、当市の現状や介護保険制度の動向に十分留意しながら、老人福祉法に基づく「高齢者福祉計画」とともに、次期計画を策定してまいります。 
 また、地域包括支援センターについても、相談機能等の充実を図り、医療・介護・福祉の連携の拠点として、「地域包括ケアシステム」の構築を図ってまいります。

  『人権を尊重するまちづくりの推進』については、人権行政は総合行政であるとの認識のもと、「大田市人権施策推進基本方針」や「大田市人権尊重都市宣言」の趣旨、並びに世界遺産を有する大田市として、「平和と人権尊重」のユネスコの精神に基づき、さまざまな人権課題の解決、市民の人権意識高揚のための各種施策を積極的に取り組み、すべての市民の人権が尊重され、心豊かで温もりのある社会の実現に取り組んでまいります。

第3は、「県央の中核都市にふさわしい、快適な基盤づくり」について

 まず、『快適な都市環境の形成』についてであります。
 公共下水道など汚水処理施設につきましては、快適な生活環境や水環境の向上のため、各処理区の着実な事業進捗を図るとともに、浄化槽設置事業に取り組み、汚水処理人口普及率の向上を図ります。
 雨水対策につきましては、大田町橋北地区の浸水被害解消に向け、昨年実施した基本設計を基に、柳井下水上流域の実施設計に着手するとともに、温泉津温泉街の雨水管渠整備について、新年度から事業に着手してまいります。
 また、街路整備については、大田町橋南地区都市計画道路網整備の一環として、引き続き、栄町高禅寺線天神地区の整備を実施します。
 都市公園整備につきましては、長寿命化計画に従い、体育施設の整備、石見銀山公園の施設更新などを行い、利用者の利便性と安全性の向上を図ります。 
 「大田市駅周辺東側まちづくり事業」については、先ごろ行いました関係地権者を対象とした「事業参加意向調査」の結果を踏まえ、事業区域の都市計画決定及び、都市計画道路の変更手続きを進めてまいります。
 温泉津温泉街における街なみ環境整備事業については、温泉影響調査の分析に時間を要したことから、事業が1年遅れての実施となりますが、平成28年度の完了を目指し、公共下水道の「汚水処理事業」、温泉街における浸水対策としての「雨水処理事業」、防火対策としての「防災施設整備事業」の3つの事業と同時に施工してまいります。

 次に、『道路ネットワークの形成』についてであります。
 平成16年度に事業化された「仁摩温泉津道路」の湯里ICから石見福光IC間が今月15日に開通し、さらには、来年度に仁摩・石見銀山ICから湯里IC間が開通する運びとなっており、これにより「仁摩温泉津道路」が全線開通となります。幹線道路が国道9号のみである当市にとって、山陰道は、地域間交流の促進に加え、災害・事故発生時の代替機能、救急搬送の迅速化に大きく寄与するまさに「命の道」であり、「仁摩温泉津道路」の開通の慶びと、その必要性を多くの方々に伝えるため、「山陰道開通記念事業」を実施したいと考えております。
 関係各位のご理解、ご協力により、山陰道の大田市管内5区間、「多伎朝山道路」、「朝山大田道路」、「大田静間道路」、「静間仁摩道路」、「仁摩温泉津道路」については、すでに事業化となっており、それぞれ整備が進められております。
 今後、各区間が次々と開通することとなりますが、新たな社会基盤である高速道路ネットワークの効果を、地域振興や広域観光・産業振興などへ最大限生かしてまいりたいと考えており、そのための方策や道の駅の整備などについて検討してまいります。
 残る「福光浅利道路(仮称)」につきましては、計画段階評価を経て、現在、新規事業化の前段となります環境影響評価や都市計画決定へ向けての作業が進められているところであり、早期事業化に向け、関係機関に強く要望してまいります。
 また、国道、県道並びに市道、広域農道などの幹線道路網の整備につきましては、それらのネットワーク化に向け、緊急度の高い路線を優先して整備を進め、いっそうの事業推進に努めてまいります。

 次に、『生活交通の確保』についてであります。
 市内の路線バスは、計17路線が運行されておりますが、路線バス利用者の減少傾向が続く中、事業収支は悪化しております。
 一方で、運転免許を持たない高齢者など、いわゆる交通弱者にとっては、地域の重要な移動手段となっていることから、路線バスの維持・確保は極めて重要な課題であり、利用促進策の検討や実施、路線の見直しも含め、地域住民を交えた「大田市地域公共交通協議会(仮称)」を設置し検討してまいります。

 次に、『情報通信網の整備・活用』についてであります。
 近年スマートフォンやタブレット端末等、インターネットに無線で接続できる携帯端末の普及が急速に進んでおります。それらを活用して当市を観光される方や、当市を訪れていただく外国人の方などの利便性の向上を目指して、公衆無線LANを整備してまいります。
 また、現在市内には、地理的な条件や事業採算上の問題などにより、携帯電話が使用できない地域が13地域ありますが、市民の皆様の安全・安心の観点から、新年度において、富山町芦谷地区と祖式町矢滝地区の2カ所に国庫補助事業を活用して携帯電話の基地局を整備します。

 次に、『安全な生活の確保』についてであります。
 かねてより建設中でありました新消防本部庁舎が本年6月に完成し、運用を開始いたします。新庁舎は、東日本大震災や近年の自然災害等を踏まえ、本来の消防機能に加え防災拠点機能を増強した総合的な機能を兼ね備えており、複雑大規模化する災害に対し、消防防災活動が迅速的確に行えるよう対応能力を強化するとともに、飲料水型100トン貯水槽や各種訓練施設等を有し、地域防災の拠点として大きな威力を発揮するものであります。
 あわせて、消防救急デジタル無線の整備や、救急救命士の養成など、よりいっそうの消防力の充実強化に努めてまいります。
 防災対策については「大田市地域防災計画」に基づき、総合的な地域防災体制の充実・強化を図るため、自主防災組織の拡充と育成、防災訓練等を通じた防災意識の高揚、啓発に努めてまいります。
 また、整備を進めておりました「新防災行政無線」につきましては、新年度には、温泉津、仁摩地区で運用を開始し、大田地区については、整備工事に着手する運びであります。 

第4は、「石見銀山をはじめとする歴史文化を生かした創造的な人づくり」について

 まず、『石見銀山遺跡の保全と貴重な歴史・文化の振興』についてであります。
 遺跡整備につきましては、平成27年度からの第2期整備に向けて、整備計画の策定を行います。策定に当たりましては、遺産の適切な保護に十分配慮しつつ、観光振興の面からも遺跡の新たな魅力創出と活用を図るとともに、住民と来訪者の安全対策に努めてまいります。
 また、島根県と連携しながら新年度も引き続き、石見銀山遺跡の落石対策事業を実施するとともに、温泉津地区における消火栓などの防災施設の整備についても、温泉津温泉街の公共下水道整備、街並み環境整備事業に併せ実施してまいります。
 芸術文化振興につきましては、昨年4月にリニューアルオープンした大田市民会館が、芸術文化の中心施設としての役割を果たすよう努めるとともに、昨年5月に当市において開催された「本因坊戦」を契機に、仁摩小学校をモデル校として、「囲碁によるまちづくり」をいっそう進めてまいります。
 また、鳴り砂の浜「琴ヶ浜」の美しい景観を後世に守り伝えていくため、国の天然記念物指定に向けて、地元の皆様とともに取り組んでまいります。

 次に、『学校教育の推進』についてであります。
 児童・生徒や学校を取り巻く諸課題に対し、特別支援教育の充実、積極的な生徒指導の推進、適応指導をはじめとした不登校等、児童・生徒への各種支援体制の充実を図るため学校教育室の機能を強化してまいります。特に、児童・生徒への支援の充実のため指導主事を増員し、本年度に立ち上げた幼児期から学齢期までの継続的な支援を行うための「特別支援連携協議会」の相談支援チームを本格運用してまいります。
 学力・教育力の向上につきましては「学習習慣サポーターの配置」、学級集団の状況を把握するための「Q-Uアンケート」の活用、「プリント配信システム」の実施、国立三瓶青少年交流の家を活用した「宿泊学びの場モデル事業」、「中高連携強化」などを実施してまいります。
 学校図書館の充実につきましては、県内において最も積極的に魅力的な学校図書館づくりに取り組んでまいりました。このことが子どもたちの読書意欲を刺激し、豊かな心を育むうえで大きな役割を果たしてきております。引き続き、新年度においても、学校司書の配置率をさらに高め、授業での学校図書館の活用を進めてまいります。

 学校統合につきましては、仁摩中学校と温泉津中学校の統合についても、地元関係者のご理解とご労苦のもと、本年4月に「大田西中学校」として開校いたします。地域の皆様に支えていただきながら、新たな校風を力強く育んでいただくことを期待しております。今後とも、保護者や地域の皆様の合意をいただきながら、学校統合に取り組んでまいります。
 また、当市の教育振興に関する基本的な方針を確立するため、「大田市教育ビジョン」の策定に向け準備を進めてまいります。

 教育環境の整備・充実につきましては、学校施設の耐震化を平成27年度までに完了することを目標として順次進めてきており、新年度においては、川合小学校、池田小学校、仁摩小学校の各体育館の耐震化を実施します。
 また、本年度に工事着手いたしました第一中学校の体育館につきましては、新年度の完成に向け工事を進めており、校庭の芝生化については、久手小学校をモデル校とし、2校目となる川合小学校屋外運動場において取り組みます。

 次に『いつでも学べる生涯学習社会の実現』については、7つの公民館を軸に、引き続きまちづくりセンターなどと連携しつつ、「協働によるまちづくり」を担う人材育成に取り組んでまいります。また、学校支援や放課後子ども対策、「親学」など学校・家庭・地域の連携による教育支援を進め、社会全体の教育力の向上を図ります。

 次に、『地域間交流の推進』についてであります。
 昨年、大田市山村留学センター「三瓶こだま学園」は開設10周年の節目を迎え、これまで、長期山村留学事業では延べ124名が卒園し、短期山村留学事業では約4,000名を受け入れてまいりました。
 引き続き、大田の地域特性を生かしたさまざまな自然文化体験・生活体験等を通じて、市内と市外の子どもたちの双方に対して、真の「生きる力」を育む教育・学習の場を提供するとともに、山村留学を縁としてつながった皆様との地域間交流を活発にすることで、交流人口の拡大や地域活性化に向けて取り組んでまいります。

第5は、「自然との共生や循環型社会を目指す生活環境づくり」について

 新不燃物処分場につきましては、造成工事が難航し1年延期を余儀なくされましたが、平成27年度の供用開始に向け鋭意努力してまいります。

 可燃ごみにつきましては、現在出雲市に委託し処理しておりますが、平成35年度を目途に新しい可燃ごみ処理システムを構築する必要があり、新年度において、「大田市一般廃棄物処理基本計画」に基づき、次期の可燃ごみの処理方法について、経済性・利便性・環境負荷など比較検討を行い、総合的に判断をしたいと考えております。 

第6は「参画と協働によるまちづくり」について

 まず、『協働によるまちづくり』については、市民ニーズの高度化・多様化、地方分権の進展や厳しい財政状況等のなかで「協働のまちづくり」のさらなる取り組みが求められております。
 市民の皆様がまちづくり活動を行いやすい環境づくりや支援体制の整備はもとより、人口減少や高齢化が進み、集落機能の維持や地域活動が困難となった集落を支援するため、新年度より「集落支援員」の配置や「地域おこし協力隊員」の募集を行い、集落の活性化・課題対策に向けて取り組みを進めてまいります。
 定住対策につきましては、昨年度に策定した「第二次定住促進ビジョン」に基づき、引き続き、定住促進事業を展開してまいります。とりわけ、空き家バンク制度の推進と定住相談会への参加、定住サイト「どがどが」を通じて積極的に情報発信を行ってまいります。

 次に、『効率的な行財政運営と改革の推進』につきましては、厳しい財政状況の中で、多様化する市民ニーズや行政課題に的確に対応できるよう、組織の見直しや研修等を通じて職員の意識改革、そしてさらなる事務事業の改善に努めてまいります。
 また、当市の抱える施設の大半は老朽化し、経常的な維持管理費の増加に加え、将来的には大規模改修や建替えのために、多額の経費が集中的に必要となることが想定されます。今後も高齢化・人口減少等により、歳入の大幅な増加が見込めない中、公共施設の有効活用、計画的な施設の整備、運営方法の見直しが急がれており、新年度において、当市の所有する施設の総量や状況、維持管理経費などその概要をとりまとめた「公共施設白書」を作成し、今後の施設のあり方について検討を進めてまいります。
 また、当市の財政の根幹となる税収等を確保するため、市税等の納付について、コンビニエンスストア及び郵便局での収納業務を本年4月より運用開始することとしており、納付者の利便性と収納率の向上に努めてまいります。