大田市山村留学センターは、島根県の中央に位置し、国立公園三瓶山(さんべさん:標高1126m)や、白砂青松の日本海をはじめとするバリエーション豊かな自然に囲まれた、まさに人と自然が共生してきたまちです。また、江戸時代には世界の銀生産の大半を占めたといわれる石見銀山遺跡は、日本では14番目の、また産業遺産としてはアジア初の世界遺産です。 こうした素晴らしい自然環境、歴史に培われ、この地の人々によって脈々と受け継がれてきた暮らしの営みこそ、現代の子どもたちにとってかけがえのない貴重な教育財産です。

 大田市の山村留学センターは、全国でも稀な山と海両方の体験が可能なセンターです。子どもたちが、この地の自然や人々の暮らしを体験し、あるいはたくさんの人々とふれあうことによって得た体験を生かし、「自らの個性に芽生え、自信をもって嬉々として行動する」そうした子ども像を描いています。 また私たち自身もそうした子どもたち、あるいは保護者の皆さんとの交流を通じ、今一度大田を見つめなおしたい。そう考えます。

 親元を離れた1年間の間には、今まで経験したことのない苦労や寂しさが待ち受けているかもしれません。しかし、今までの暮らしでは決してつかむことのできない宝物も見つけ出せるはずです。私たちはそれを懸命に応援し、そして皆さんと一緒に歩みたいと考えます。

大田市の山村留学

 大田市の人々との交流とゆたかな自然と文化を活用し、さまざまな体験活動を通して、子どもたちの「生きる力」を育むことを目的としています。
 山村留学する子どもたちは、小中学校時代の一時期(1年間)に親元を離れて大田市へ転入し、センターや農家などで生活しながら地元の小中学校へ通学します。
  • センターでは、子どもたちの“体験”の幅を広げ、総合的な力を培うため、豊かな海、山などの四季の移り変わりを通した年間指導計画に沿って様々な体験活動を行います。
  • 子どもたちは、月の2/3をセンターで生活し、残りの1/3は地域の農家で生活します。
  • 学校は、北三瓶小・中学校に通学します。
  • センターの生活・活動指導は、山村留学の実践において全国で最も経験のある公益財団法人育てる会から派遣される専任指導員が行います。またセンターの事業企画や地域、学校のパイプ役、その他運営事務については、教育委員会の職員が行います。
海からの収穫物を観察する生徒ら

センターの運営理念

 大田市では山村留学事業を単なる過疎地域の学校の活性化対策としてではなく、「人と自然」「都市と農山漁村」「子どもから高齢者」をキーワードとした人づくり事業として考えています。  センターは1年間の長期留学事業を基本に、夏・冬・春の長期休暇や週末の自然体験事業などを常駐スタッフを配置し、年間を通じ様々な活動を展開します。
山村留学センターの運営理念