(1)安原谷地区発掘調査

前年度より継続して、伝安原備中霊所跡より西側(谷奥)の発掘調査を行いました。
炉跡と考えられる遺構の石組み、溝跡などが検出され、前年度の調査地点に続き、この地区に製錬施設が連なっていたことが確認されました。

(2)清水谷製錬所跡発掘調査

明治期(1895から1896年)に稼働していた清水谷製錬所跡の発掘調査を行いました。
現在残っている操業当時の写真を参考にし、当時屋内であったと推測される部分、並びに道路部分を中心に調査を行い、建物の基礎と考えられる石列や、モルタル等で補修された道路の側溝、石組みなどが発見されました。
また、建物の壁があったと考えられる石垣間から、数千個程度と見られる大量の骨灰皿(キューペル)が検出されました。
このキューペルは、科学分析により鉛の成分が含まれることが確認され、灰吹法での銀の試金用に用いられた可能性が高いと見られています。

(写真は清水谷製錬所調査風景です。この地点からキューペルが大量出土しました)

狭い溝の中を手作業で掘る発掘調査現場の風景