石見銀山の採掘の中心地である本谷地区で、露頭掘りの実態解明をめざして調査を行いました。

確認されていた露頭掘りの下部に調査トレンチ設け、露頭掘りと江戸時代初期の道・建物跡との関連を探りました。その結果、露頭掘りは地表面から約2 メートルの深さよりさらに深部に及んでいること、その縁辺部に直径約20センチ、深さ30 から50センチの柱穴状の小坑が穿たれている状況が確認されました。
道跡および建物跡と露頭掘りの関連は、露頭掘りの上に道が構築されており、その道の面に建物跡のある面が伴っていることを確認しました。つまり、この露頭掘りは、江戸時代初期以前であることが明らかとなりました。
出土遺物は、陶磁器がコンテナ2 箱、金属製品( 製錬関連遺物を含む) コンテナ1 箱、石製品コンテナ1 箱でした。なかでも鉛塊と見られる金属塊と、これまで国内では類例のない筒状石製品が出土し、注目されました。

 

本谷地区でみつかった露頭掘りの跡