仙ノ山、石銀地区(墓2の地点)にある石造物を悉皆調査しました。この墓群は16世紀末に造墓が開始されたもので、石銀地区の中では大型の石塔が造立された中心的墓地であり、墓石などの石造物が多数現存しています。ここでの最古の紀年銘は慶長2(1597)年の一石宝篋印塔でした。17世紀代の慶長、元和、寛永期に造墓が集中するものと考えられ、最も新しい紀年銘は萬治2(1659)年の組合せ宝篋印塔でした。また、墓石に刻まれた戒名等が浄土宗に特徴的に見られるものであったことから、浄土宗寺院に付帯した墓地である可能性が高いと推察されました。

蓮の花などが刻まれた墓石が見つかった様子