JFしまね大田水産物地方卸売市場(静間町 和江漁港)
市内四つの魚市場(久手、和江、五十猛、仁摩)を統合した「JFしまね大田水産物地方卸売市場」が、静間町の和江漁港に完成し、平成25年8月23日に竣工式、同年9月1日に初セリが行われました。
市場統合による取り扱い規模の拡大と高度な衛生管理で、販売単価の向上と良質な水産物の安定供給が期待され、年間の水揚げは約8,200トン、取扱金額は33億円を見込んでいます。

市場の統合は、平成21年に「石東地区漁業・漁村振興対策協議会」が設置され、関係者で協議を重ね統合の合意が得られたことで平成23年に基本計画を定め、新市場が建設されることになりました。完成した卸売市場は、県内でも最高の衛生管理水準を誇る施設となっています。
荷さばき場では、魚介類の洗浄等には浄化殺菌処理した海水を使用し、床に勾配を持たせ、汚水が溜まらないよう排水管理を行っています。また、人やフォークリフト、作業台車が場外から入る際は、長靴やタイヤが消毒されるよう、作業経路に洗浄槽が設けられています。
また、防鳥ネットなど鳥獣の侵入対策や、日光や雨水が入らないよう全ての開口部には扉や庇も設け、市場内に雑菌が入り込まないように場内外を遮断する構造とするほか、フォークリフトも電動式のものを導入し安全・安心な水産物が提供できるよう努めています。
卸売市場は二つの荷さばき場のほか、管理棟などが付設され、鉄筋造一部鉄筋コンクリート造二階建て、延べ面積6,131㎡。また、隣接地には前年度末に完成した製氷工場があります。
統合により集出荷の合理化が図られるほか、取扱量が安定することで仲買人も増え、また、高度な衛生管理と鮮度維持により、大田の水産物のブランド力を高め、今後の販路拡大や魚価の向上が期待されます。
なお、島根県及び大田市では流通の迅速化と安全確保のため、現在、統合市場への接続道路の新設や周辺県道の改良工事を進めています。