市長施政方針

はじめに

 令和5年第1回大田市議会定例会の開会にあたり、新年度の市政運営につきまして、私の所信を申し上げ、市民の皆さん並びに市議会議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 はじめに、施政方針にあたり、新年度における主要な項目について述べさせていただきます。
 年明け早々、戦国時代末期の石見銀山を舞台とした千早茜先生の小説「しろがねの葉」が、第168回直木賞を受賞されました。改めて、心からお祝いを申し上げます。初挑戦となる時代小説の舞台に石見銀山をお選びいただいたこと、また、その作品が素晴らしい賞に輝いたことは、新年から大変喜ばしい出来事でありました。
 令和9年には、石見銀山遺跡の世界遺産登録20周年、銀山発見500年、大森銀山地区重要伝統的建造物群保存地区選定40周年の大きな節目を迎えます。この度の受賞は、石見銀山遺跡の知名度向上に大きく寄与するものであり、遺跡の魅力や価値の発信をさらに推進してまいります。

 本市の重要施策として、人口減少対策があります。令和4年の全国の出生数は、初めて80万人を下回るという事態となり、国においては、経済的支援の強化、サービスの拡充、働き方改革を3本の柱に据えた、具体策の検討が進められています。4月には、その司令塔として、新たに「こども家庭庁」が創設され、子ども・子育てに関する取り組みや政策の強化が本格化してきます。
 本市におきましても、令和元年に200人だった出生数は、令和4年には169人にまで減少し、令和3年の出生率は1.60となるなど、このまま推移すれば、人口減少が加速し、市の活力低下は避けられません。
 この状況に対応していくため、「総合的な人口減少対策事業」に着手し、様々な統計データについて根本的な要因の分析を行うとともに、未婚者や既婚世帯へのアンケートを実施し、その分析結果を踏まえ、具体的な事業に取り組みたいと考えております。

 市政運営の拠点となる新庁舎の整備につきましては、市民の皆さんとの意見交換会や市議会でいただいた様々なご意見を踏まえ、このたび、建設地を「大田市駅前周辺東側土地区画整理事業地内」に選定いたしました。新年度からは、整備に係る基本計画の策定を進めてまいります。
 あわせて、地域の活力を維持・向上するためには、若者の定住・人口流入が重要であり、子育て環境の充実は、喫緊の課題であることから、新庁舎と同地域内に、「子育てにかかる総合支援拠点施設」の整備を進め、利便性を高めたいと考えております。

 また、市内を横断する山陰道の整備が進められており、「大田・静間道路」、「静間・仁摩道路」の二区間については、新年度中に開通します。「福光・浅利道路」の整備についても、着実に進められており、一日も早い開通と、山陰道の早期全線開通に向けて、関係機関に強く要望してまいります。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、1月以降の感染者数が減少傾向に転じており、国においては、新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけを、重症化リスクや感染力が高いとされる2類感染症から、5月に、季節性インフルエンザなどと同じ5類感染症に移行する方向で検討されています。
 マスク着用ルールなどの感染症対策のほか、医療体制や医療費の公費負担など、私たちの暮らしに大きく関わることから、検討の状況を注視してまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症や、物価・原油価格の高騰などにより、市民の皆さんや事業者の方々が受ける影響に対する支援策については、引き続き、国・県と連携した対応に努めてまいります。

 令和6年3月末をもって産業振興施設としての機能を廃止するサンレディー大田の後利用につきましては、利用者の皆さんとの意見交換や市議会へのご説明を重ねてまいりましたが、「働く女性の家」部分には、洪水時の浸水想定区域に立地している「大田まちづくりセンター」の移転を、また、「ふれあいホール」部分には、災害用備蓄倉庫及び市役所分庁舎の機能を移転することといたしました。
 今後の活動に支障が生じないよう、他施設の利用や大田市民センター内のまちづくりセンター移転後のスペースを貸館として利用いただくなど、調整を図ってまいります。
 厳しい財政状況の中、公共施設の適正化は喫緊の課題でありますので、ご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。

 新年度からは、本市のまちづくりの指針である「第2次大田市総合計画」は、後期計画に移行します。前期計画中は、新型コロナウイルス感染症の影響により、計画どおりに進まなかった施策が多くありましたが、前期計画の取り組みを検証・評価し、社会情勢の変化なども踏まえて、後期計画を策定いたしました。引き続き、6本の基本方針に沿った具体的な施策に取り組み、魅力的なまちづくりを進めてまいります。

 主要施策の概要

 それでは、本会議において、ご審議いただきます諸議案の説明に先立ちまして、主要施策について、「第2次大田市総合計画・後期計画」に掲げる施策体系に沿って、申し上げます。

第1の柱「多様で活力ある産業づくり」について

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第2の柱「ふるさとを愛する豊かな心づくり」について

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第3の柱「だれもが住みよい暮らしづくり」について

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第4の柱「くらしや交流を支える都市基盤づくり」について

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第5の柱「人と自然が共生した、自然・生活環境づくり」について

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第6の柱「協働・共創による持続可能なまちづくり」について

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以上、主要施策の概要を申し上げました。

 予算案等提案理由

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 市民の皆さん、市議会議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、私の施政方針並びに提案理由の説明といたします。

 

◆全体版(一括)

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