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大田市指定天然記念物「定めの松」の文化財の指定解除について

国立公園三瓶山西の原にある「定めの松」につきまして、令和5年11月に行われた大田市文化財保護審議会において諮問したところ、令和5年12月12日、「枯死により指定文化財としての価値を失ったため、大田市指定文化財の解除が適当である」旨の答申がありました。


 「定めの松」は、江戸時代の初めに当時の石見銀山奉行が、街道の目印として一里(約4キロメートル)ごとの道路の両脇に作られた一里塚に目印として植えたと伝わる松です。高さ20メートル前後の松2本が道路を挟んで東西に並び立つ景観は、三瓶の名松として多くの人に親しまれており、島根県内に唯一残る対立性の一里塚松として、昭和46年に大田市指定文化財に指定されました。

 一般的に松の寿命は250年程度と言われるところ、「定めの松」の樹齢は約400年と推定されています。近年は、寿命やマツクイムシの被害により樹勢の衰えがみられ、専門家の指導のもと樹勢回復に取り組んできましたが、西側の松は平成20年に伐採・撤去され、残っていた東側の松も、本年7月末に寿命による枯死と診断されました。
 

 今後は、教育委員会等諸手続きを経て、危険防止のために来年夏頃から秋にかけて幹の伐採を行う予定であり、材の活用などについても検討していきます。また、指定解除、伐採後に二世松を移植し、引き続き日本遺産の構成文化財として取り扱うこととなりますので、将来的にかつての「定めの松」の景観を復元できるよう取り組んでいきます。
 

 あわせて、今後も「定めの松」の歴史を後世に伝えていくため、改めて資料の収集などにも努めていきます。「定めの松」や三瓶に関する古文書・古写真をお持ちの方は、ぜひ情報をお寄せください。

 

≪大田市の文化財≫より

≪『大田市の文化財』島根県大田市教育委員会≫

現況(令和5年9月)

≪現況(令和5年9月)≫