3月市議会定例会で施政方針を述べる竹腰市長

(はじめに)

 平成28年第2回大田市議会定例会の開会にあたり、新年度の市政運営について、私の所信を申し上げ、市民の皆様並びに市議会議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は、平成17年10月の市町合併後、新市の初代市長に就任して以来、新生大田市の発展に、粉骨砕身、全力を尽くしてまいりました。昨年10月には新市発足10年の節目を迎え、さらなる未来に向かって新たな一歩を踏み出したところであります。
 振り返ってみますと、この10年、政治も、経済も大きく変化し、地域経済や地方自治をめぐっては、まさに激動の厳しい情勢下にありました。 そうした中、新市のまちづくりのスタートに際し、定住元年・改革元年とし、人口減少問題を基本的最重要課題に、まちづくりの“羅針盤”「大田市総合計画」を策定し、これに基づくあらゆる分野の計画をつくって、その実現に邁進してまいりました。
 今、10年が経過し、各種施策において一定の成果を得ることができましたが、依然、人口減少に歯止めが掛からず、今や日本全体が本格的な人口減少社会を迎えています。  このような状況下にあって、我が国の急速な少子高齢化の進展に対応するとともに、大都市圏への人口の過度な集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある地域社会を維持していこうという地方創生が国を挙げての課題となっております。
 本市においても、昨年10月「大田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、実践に向けた取り組みをはじめたところであります。 この「総合戦略」は、市政運営の基本指針である「大田市総合計画」との整合を保ちながら、急激に変化する社会情勢なども考慮の上策定したもので、「総合計画」を着実に推進する上でも、極めて重要な役割を担う計画であります。
 折しも、現行の「大田市総合計画後期計画」は、平成28年度末をもって計画期間が満了となります。このため、新たな「総合計画」の策定が必要となりますが、全市的な観点から策定した「総合戦略」の意義や役割、また、計画期間等も考慮すると、直ちに新しい「総合計画」を策定するのではなく、現行の「後期計画」の計画期間の終期を延長することで、両計画の整合を保つことが望ましいと考えたところであります。
 具体的には、新年度において、現行の「後期計画」を2か年延長して、新たな政策課題など現行計画に不足する施策や事業を追加し、「大田市総合計画後期計画」の“改定版”として策定したいと考えております。
 取り組むべき課題は山積し、その一つひとつへの対策が急がれますが、「総合戦略」の確実な実行、さらには大田市が有する貴重な地域資源の数々を有効に活用し、新たなまちづくりの一つとして取り組む「健康まちづくり」を大きな政策課題と位置付け、地方創生・大田市創生に向け、市民の皆様とともに全力を挙げて、果敢に挑戦する覚悟であります。  

総合戦略 

 

 まず、はじめに、「総合戦略」を踏まえた取り組みについて申し述べます。
 私は、市長就任当初から人口減少問題に着目し「大田市定住促進ビジョン」をまとめ、雇用対策や子育て支援について、いち早く対応してまいりました。 依然として人口減少に歯止めがかからない状況にはありますが、『住みたい田舎』ベストランキングで全国1位を獲得するなど着実に効果があらわれつつあり、UIターン希望者は増加傾向にあります。
 この「総合戦略」においては、さらなる人口減少への歯止めと、将来にわたって活力ある大田市を実現するために、(1)多様な産業を活性化し「はたらく場」をつくる、(2)「結婚」「出産」「子育て」の希望をかなえる環境をつくる、(3)新たな「ひとの流れ」をつくる、(4)「交流」「連携」「協働」により住みよいまちをつくる、これら4つを基本目標として掲げております。
 中でも「はたらく場」「子育て支援」「住まい」、この3点は定住における大きな鍵であり、定住条件の確立に向けて一層重点的に取り組むとともに、4つの基本目標実現へ「総合戦略」に掲げた施策方針を具体化し、着実に推進してまいる所存であります。  

 健康まちづくり

 大田市創生に向けての新たな政策課題と位置付けた「健康まちづくり」について申し述べます。
 私は、「市民の皆様の健康はすべての施策に勝る」と考えており、人々が住み慣れた地域で気持ち豊かに元気に歩く姿が見られる“まち”こそが「健康なまち」であり、いわば、“まち”そのものが健全で健康である“まちづくり”が重要だと考えております。
 そこで、健康都市『スマート(=賢明・快適・エコ・美しい) ウェルネス(=健康・安心) シティ』実現に向けて、市民の皆様の健康づくりを重点的に進めると同時に、本市を訪れる多くの人々が自然や歴史、文化などに触れる中で、健康づくりや心身のリフレッシュを体感できるヘルスツーリズムの取り組みも一層充実させてまいりたいと考えております。
 このため、私は、昨年、同様の取り組みを進めておられる自治体で構成される「日本クアオルト協議会」に参加いたしました。すでに、本市においても「大田市クアオルト協議会」が設置され、具体的な活動が展開されております。
 このような状況を踏まえ、新年度には「大田市健康まちづくり推進プラン」を策定し、具体的な実践活動に全市を挙げて取り組むとともに、大田市版クアオルトを確立し、「健康保養都市おおだ」の実現を目指す考えであります。  

(主要施策の概要)

 それでは、本定例会において、ご審議いただきます諸議案の説明に先立ちまして、新年度の主要施策について、「大田市総合計画」に掲げる施策体系に沿って、申し述べます。

第1は、「地域資源のネットワークによる活発な産業づくり」について

  pdfファイル「地域資源のネットワークによる活発な産業づくり」をダウンロードする(PDF:182.556KB)

第2は、「だれもが住みよく、安心・やすらぎを感じる生活づくり」

 pdfファイル「だれもが住みよく、安心・やすらぎを感じる生活づくり」をダウンロードする(PDF:162.412KB)

第3は、「県央の中核都市にふさわしい、快適な基盤づくり」

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第4は、「石見銀山をはじめとする歴史文化を生かした創造的な人づくり」

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第5は、「自然との共生や循環型社会を目指す生活環境づくり」

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第6は「参画と協働によるまちづくり」

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以上、6項目について概要について申し述べました。

 予算案等提案理由

 pdfファイル「予算案等提案理由」をダウンロードする(PDF:87.881KB)

市民の皆様、そして市議会議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、私の施政方針並びに提案理由の説明といたします。